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国の認定制度と公開データで会社を調べる|ユースエール・くるみん・えるぼしの基準と、確かめる手順

国の認定制度と公開データで会社を調べる手順を解説する記事のアイキャッチ画像

求人票や採用ページに、若葉の形のマークや「くるみん」「えるぼし」のマークが載っていることがあります。説明会で「国の認定を受けています」と聞いても、何を満たした印なのかが分かりません。自分が確かめたい残業や休みの条件と、どうつながるのかも見えないままです。

この記事を読み終えると、三つの認定がそれぞれ見ている基準と、認定を受けた会社と公開データの探し方が手元に残ります。数字を読むときに確かめることと、自分の条件を求人票と職場情報で確かめる手順も残ります。

先に、この記事の立場を書いておきます。「認定がある会社を選べばよい」「認定が無い会社は避ける」とは書きません。認定は、法律に基づく基準をある時点で満たした印で、自分が確かめたい条件への答えそのものではないからです。制度の説明は厚生労働省の資料で確かめたことだけを書き、参考欄に出どころと確かめた日を載せています。例は、すべて架空です。

この記事の結論

ユースエール・くるみん・えるぼしは、別々の法律に基づいて厚生労働大臣が認定する制度で、見ている基準が違います。

認定を受けた会社と、会社が公表したデータは、厚生労働省のサイトと、それらをまとめた「しょくばらぼ」で調べられます。

認定とデータは調べる入口として使い、自分の条件は、求人票と職場情報で、出どころと時点をそろえて確かめます。

三つの認定が見ている基準

三つの認定は、どれも会社が申請し、基準を満たしたときに厚生労働大臣が認定します。基準は認定ごとに違うため、一つの認定があることは、ほかの認定の基準を満たすことを意味しません。

ユースエール認定(若者雇用促進法)

若者の採用と育成に力を入れ、若者の雇用管理の状況などが基準を満たした中小企業を認定する制度です。対象は、常時雇用する労働者が300人以下の会社です。

ユースエール認定の、数字で決まった基準(厚生労働省のページ。2026年10月9日に確認)

離職率:直近3事業年度に、新卒などで正社員として入った人の離職率が20%以下です。

残業:前の事業年度の、正社員の所定外労働時間の月平均が20時間以下です。法定時間外労働が月平均で60時間以上になった正社員もいません。

有給休暇:前の事業年度の正社員について、取得率の平均が70%以上か、取得日数の平均が10日以上です。

育児休業等:直近3事業年度に、取得した男性が1人以上いるか、女性の取得率が75%以上です。

数字のほかに、人材育成の方針と教育訓練の計画を作っていることも基準です。若者雇用促進法に基づく職場情報を、決められた項目について公表していることも求められます。なお、法定時間外労働は、法律で決まった1日8時間・週40時間を超えた労働です。

くるみん認定(次世代育成支援対策推進法)

会社が、働く人の仕事と子育ての両立を支える行動計画を作り、計画の目標を達成することが出発点です。そのうえで基準を満たすと、「子育てサポート企業」として認定されます。会社の規模や業種を問わず、申請できます。

より高い水準の基準を満たしたプラチナくるみん、2022年4月に始まったトライくるみんもあります。不妊治療と仕事の両立の取組を加えた「プラス」の認定もあります。

基準は2025年4月1日に改正されました。厚生労働省のパンフレット(令和8年2月)では、くるみんの基準は9項目です。数字で決まっている基準には、次のものがあります。

くるみん認定の、数字で決まった基準(2025年4月からの基準)

男性の育児休業等:計画期間の取得率が30%以上で、その割合を厚生労働省の「両立支援のひろば」に載せています。会社独自の育児目的の休暇と合わせて数える方法もあります。

女性の育児休業等:計画期間の取得率が75%以上です。育児休業の対象になる有期雇用の女性についても、75%以上です。

残業:計画期間が終わる事業年度に、フルタイムで働く人の法定の時間外労働と休日労働の合計の平均が、各月30時間未満です。25〜39歳で働く人の平均が各月45時間未満でもかまいません。

長い残業:法定時間外労働が月平均で60時間以上になった人がいません。

えるぼし認定(女性活躍推進法)

女性の活躍についての行動計画を作って届け出た会社のうち、取組の実施状況などが基準を満たした会社を認定します。見るのは、採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの五つの項目です。

満たした項目の数で段階が分かれ、五つ全部なら3段階目、三つか四つなら2段階目、一つか二つなら1段階目です。2段階目と1段階目には、満たしていない項目の実績が改善していることなどの条件も加わります。

さらに上の基準を満たしたプラチナえるぼしもあります。2026年4月1日には、女性の健康支援の基準を加えた「えるぼしプラス」が始まりました。

労働時間等の働き方の項目では、法定の時間外労働と休日労働の合計の平均を、雇用管理区分ごとに見ます。直近の事業年度のどの月も、45時間未満であることが基準です(厚生労働省のパンフレット、令和8年6月作成)。雇用管理区分は、総合職と一般職のように、会社が分けて雇用管理をしている働く人の区分です。

認定は、ある時点で基準を満たした印

この記事では、認定を「申請した会社が、その時点の基準を満たしたことの印」として扱います。時点にかかわる決まりは、認定ごとに違います。

認定ごとの、時点にかかわる決まり(厚生労働省の資料から)

ユースエール:認定のあとも、事業年度ごとに、基準に合っているかの確認を受けます。

くるみん:マークの上の部分に最新の認定年が入り、星の数はそれまでに認定を受けた回数です。2025年4月からの基準で認定されたマークには、「(2025年度基準)」と書かれます。2027年3月31日までは改正前の基準でも申請でき、その場合は改正前の基準のマークになります。

えるぼし:認定のあとも年に1回以上、満たした項目の実績を女性の活躍推進企業データベースに載せます。2段階目と1段階目の会社は、満たしていない項目の取組の状況も載せます。

基準の数字は、会社全体や区分ごとの平均と割合です。配属される部署の働き方は、認定からは分かりません。

認定を受けた会社とデータの探し方

認定を受けた会社は、厚生労働省が出している一覧と、厚生労働省のサイトで探せます。会社が公表したデータも、同じサイトで読めます。

認定ごとの一覧と、調べられるサイト(2026年10月9日に確認)

ユースエール:「若者雇用促進総合サイト」に認定企業の一覧があり、企業検索では認定を受けた会社に絞れます。若者雇用促進法に基づく職場情報を出している会社を調べるサイトです。

くるみん:厚生労働省のページに、都道府県別の認定企業の一覧(令和8年8月末時点)があります。「両立支援のひろば」では、企業名・所在地・業種から、会社の行動計画と取組を検索できます。

えるぼし:厚生労働省のページに、認定企業の一覧(令和8年8月末日現在)があります。「女性の活躍推進企業データベース」では、会社ごとの「企業認定等」の欄に、受けている認定のマークが付きます。

まとめて調べる:「しょくばらぼ」は、三つのサイトに載った情報を横断して調べ、会社どうしを比べられるサイトです。条件から探すときに、「認定・表彰・その他の制度」を選べます。

一覧に名前が無くても、認定が無いとは限りません。くるみんの一覧は公表に了解した会社だけを載せ、えるぼしの一覧にも希望で載せていない会社があると書かれています。気になる会社は、求人票や採用ページのマークも見て、分からなければ会社に尋ねます。

しょくばらぼの基本の使い方は、企業研究のやり方の記事でも触れています。しょくばらぼの会社の画面からは、同じ会社の求人がハローワークインターネットサービスに載っていれば、その求人へ移れます。

公開データを読むときに確かめること

女性の活躍推進企業データベースのページは、載っているデータは会社が自ら公表したものだと説明しています。厚生労働省の求職者・学生向けのリーフレットは、数字を見るときの注意を挙げています。それをもとに、次の四つを確かめます。

何を数えた数字か定義

同じ残業でも、数え方の違う数字があります。しょくばらぼの用語説明では、「月平均所定外労働時間」と「平均残業時間」は別の項目です。

前者は、正社員の所定外労働時間の月平均で、課長級以上の人は数えません。後者は、法定の時間外労働と休日労働の合計の月平均で、管理監督者や短時間で働く人などを除いて数えます。認定の基準も、ユースエールは所定外労働時間、くるみんとえるぼしは法定の時間外労働と休日労働で数えます。

何で割った数字か計算

リーフレットは、会社が任意で出す数字は、計算に使う分母が会社ごとに違うことがあると注意しています。二つの会社を並べる前に、何で割った数字かを確かめます。

いつの数字か時点

どの事業年度の数字か、いつ更新されたかを書き留めます。しょくばらぼは、同じ項目の出典が複数あるときは、更新日がいちばん新しいものを表示すると説明しています。

どう動いてきたか変化

一年分だけで読まず、年ごとの変化と、行動計画の目標をあわせて読みます。データベースのページによると、平均継続勤務年数は、設立まもない会社では短く出ることがあります。新規採用を増やした会社も同じです。

自分の条件を、求人票と職場情報で確かめる

認定とデータは、調べる入口です。自分が確かめたい条件は、次の順で、出どころのある情報で確かめます。

確かめたい条件を書き出す最初に

残業、休み、育児と仕事の両立、研修など、自分にとって譲れない条件を書き出します。条件の軸の作り方は、就活の軸の決め方の記事にまとめています。

条件と、基準・データの項目を結ぶ次に

条件ごとに、関係する認定の基準とデータの項目を並べます。例(架空):「残業は月〇〇時間まで」なら、三つの認定の残業の基準と、しょくばらぼの「月平均所定外労働時間」「平均残業時間」の欄です。

求人票で労働条件を確かめる応募の前

厚生労働省のリーフレットは、募集する会社が示す労働条件を挙げています。仕事の内容、就業場所、始業・終業の時刻、所定外労働の有無、賃金などです。求人票と募集要項で、自分の条件に関わる欄を読みます。

職場情報で確かめる応募の前

若者雇用促進法では、会社は平均勤続年数や研修の有無などの職場情報を、求職者に提供することになっています。公表されていない項目の求め方は、企業研究のやり方の記事にまとめています。

分からないことを質問にする説明会・面接

ここまでで分からなかったことは、説明会や面接で聞く質問にします。面接対策150問のQ135(配属や評価について確認したいこと)で、聞き方の練習ができます。

認定で止まったメモ(架空)

〇〇社:くるみん認定あり。条件は確認済み。

条件ごとに出どころを書いたメモ(架空)

〇〇社 残業:求人票に所定外労働ありと書かれている。職場情報の所定外労働時間の月平均はXX時間(20XX年度、若者雇用促進総合サイト)。くるみん認定は20XX年で、「2025年度基準」の表記あり。配属先の部署の残業は分からないので、説明会で聞く。

→ 条件ごとに書いたメモには、数字の出どころと時点と、まだ分からないことが入っています。認定で止まったメモは、認定があることを、条件を確かめた代わりにしています。

面接対策150問には、働き方についての考えを聞く問いもあります。Q127(残業や休日の働き方)、Q130(長く働き続けるために必要な条件)です。確かめた条件を、自分の言葉で話す練習に使えます。

応募の前に確かめること0 / 5 完了

就活ノート編集部のアイコン 編集部から

認定やデータを書き留めるときは、どのサイトで見たかと、いつの数字かを同じ行に書いてください。あとで二つの会社を並べたとき、時点のずれた数字どうしを比べずに済みます。

よくある質問

認定を受けていない会社は、避けたほうがいいですか?

この記事では、そうは考えません。認定は会社が申請して基準を満たしたときに受けるもので、ユースエールは中小企業だけが対象です。確かめたい条件は、認定の有無にかかわらず、求人票と職場情報で確かめます。

認定企業の一覧に、会社の名前がありません。

一覧に無いだけでは、認定が無いとは言えません。くるみんの一覧は公表に了解した会社だけを載せ、えるぼしの一覧にも希望で載せていない会社があります。求人票や採用ページのマークを見て、分からなければ会社に尋ねます。

くるみんのマークに書かれた年は、何を表していますか?

厚生労働省のパンフレットによると、マークの上の部分の年は最新の認定年で、星の数はそれまでに認定を受けた回数です。2025年4月からの基準で認定されたマークには、「(2025年度基準)」と書かれます。

しょくばらぼと、ほかのサイトで数字が違います。

しょくばらぼは、三つのサイトなどから情報を集めて表示しています。同じ項目の出典が複数あるときは、更新日がいちばん新しいものを表示すると説明しています。どの事業年度の数字か、何を数えた数字かを、元のサイトで確かめます。

参考にした公的資料

制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。

厚生労働省「ユースエール認定制度」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100266.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 若者雇用促進総合サイト「若者雇用促進総合サイトの使い方」
https://wakamono-koyou-sokushin.mhlw.go.jp/search/service/staticpage.action?action=use(2026年10月9日に確認)

厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 次世代育成支援対策推進法関係パンフレット(令和8年2月)17〜25ページ(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001679184.pdf(2026年10月9日に確認)

厚生労働省「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/jisedai/kijuntekigou/index.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 両立支援のひろば「一般事業主行動計画公表サイト」
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/index.php(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 パンフレット「女性活躍推進法に基づくえるぼし認定・プラチナえるぼし認定のご案内」(令和8年6月作成、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001684206.pdf(2026年10月9日に確認)

厚生労働省「女性活躍推進法への取組状況(一般事業主行動計画策定届出・「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定状況)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000129028.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 女性の活躍推進企業データベース「データを見るときのポイント」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/navi/navi1.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 職場情報総合サイト しょくばらぼ「学生・求職者の方向け利用方法」
https://shokuba.mhlw.go.jp/030/020/20191217115311.html(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 職場情報総合サイト しょくばらぼ「情報掲載元サイト」(PDF)
https://shokuba.mhlw.go.jp/010/shuttenList.pdf(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 職場情報総合サイト しょくばらぼ「用語説明」
https://shokuba.mhlw.go.jp/menu/010/(2026年10月9日に確認)

厚生労働省 リーフレット「自分に合った就職先を検討するために職場情報を確認しましょう」(求職者・学生等向け、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001672149.pdf(2026年10月9日に確認)

公的機関のページは改められることがあります。手続きの前に、そのときのページで確かめてください。

確かめたい条件の作り方と、職場情報の求め方の記事を並べておきます。

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この記事を書いた人

就活ノート編集部

Only Life 就活ノート

体育会学生の新卒就職支援を専門にする Only Life 株式会社の社内チームで、エントリーシートの添削と模擬面接を担当しています。面接対策150問や公的機関の資料を使った記事は、本文末の参考欄や根拠欄に出どころを記しています。読んで納得して終わる記事ではなく、読みながら手が動く記事だけを出す方針です。

編集・監修:就活ノート編集部 / 担当領域:就活の進め方・公的資料の確認 / 編集部の記事一覧