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転職した年の年末調整と源泉徴収票|前の勤め先の分を出す手順と、出せないときの確定申告

転職した年の年末調整と源泉徴収票を解説する記事のアイキャッチ画像

10月に新しい勤め先へ入社しました。数日後、経理から「年末調整のために、前の勤め先の源泉徴収票を出してください」と案内がありました。前の勤め先から何か届いたかどうかが分かりません。

この記事を読み終えると、三つのことが手元に残ります。年末調整を受けられる人の見分け方と、前の勤め先の源泉徴収票を出す順番です。出せないときや年末調整を受けないときの、確定申告への進み方もあります。

先に、この記事の立場を書いておきます。制度の説明は国税庁の資料で確かめたことだけで、参考欄に出どころと確かめた日を載せています。税額の計算や節税の方法は書かず、例もすべて架空です。金額は、自分の源泉徴収票と税務署で確かめてください。

この記事の結論

年の途中で就職して年末まで勤める人は、年末調整の対象です。前の勤め先から給与を受けていたときは、その分を含めて年末調整をするので、前の勤め先の源泉徴収票を新しい勤め先に出します。

年の途中で退職した人には、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付する決まりがあります。届いていなければ、前の勤め先に交付の時期と方法を問い合わせます。

前の勤め先の分を確かめられないときや、年内にどこにも就職しないときは、年末調整は行われません。確定申告で精算し、納め過ぎのときは還付申告もできます。

年末調整の対象になる人

年末調整は、毎月の給与から引かれた所得税の合計と、1年間に納めるべき額との差を精算する手続です。精算するのは勤め先です。

国税庁のタックスアンサー No.2665 によると、対象は一定の人です。年末調整をする日までに、勤め先へ「扶養控除等(異動)申告書」を出している必要があります。転職した年に当てはまるかは、年末まで働くかで分かれます。

年末まで新しい勤め先で働く場合

No.2665 は、12月に行う年末調整の対象として、二つの人を挙げています。1年を通じて勤務している人と、年の中途で就職して年末まで勤務している人です。転職して新しい勤め先で年末まで働く人は、あとの形に当たります。

ただし、その年に支払うことが決まった給与の総額が2,000万円を超える人は、対象から除かれます。

年内に次の勤め先へ入らない場合

同じ No.2665 は、年の中途で退職した人は、決められた場合を除いて年末調整の対象にならない、としています。決められた場合は5つあります。非居住者になった人、死亡で退職した人、著しい心身の障害で退職した人の3つは、この記事では扱いません。

残る二つが、転職に関わりそうな場合です。12月に支給される給与を受けたあとに退職した人。パートタイマーなどで、その年の給与の総額が136万円以下の人です。後者は、退職後に他の勤め先から給与を受ける見込みがあるときは除かれます。

国税庁の令和8年分の年末調整Q&Aには、10月末に退職し、再就職が決まらず雇用保険の給付を受ける予定の人の例があります。上の場合のどれにも当たらないので、在職中の給与について年末調整は行えない、と答えています。

前の勤め先の源泉徴収票を受け取る

年の途中で退職した人には、前の勤め先から「給与所得の源泉徴収票」が交付されます。国税庁のタックスアンサー No.7411 によると、勤め先は、退職の日以後1か月以内に交付しなければなりません。

書面だけではありません。同じページは、受け取る人の承諾などの要件のもとで、書面の代わりにデータで提供できるとしています。データで提供された場合でも、受け取る人が請求すれば、書面で交付されます。

退職のあとの手続きの全体は、退職の伝え方と手続きの記事にまとめています。離職票や健康保険、年金の期限もそこで確かめられます。

届いていないときの問い合わせの例(架空)

〇月〇日付で退職しました〇〇です。年末調整のために、給与所得の源泉徴収票が必要です。交付の時期と、郵送かデータかの受け取り方を教えてください。

新しい勤め先に出す手順

新しい勤め先に出す順番は、次のとおりです。国税庁の資料に書かれているのは、確認することと提出する書類までです。出す期限と出し方は、勤め先ごとに決まります。

源泉徴収票の中身を見る手元に届いたら

タックスアンサー No.2674 は、源泉徴収票などで三つを確かめるとしています。前の勤め先で受けた給与の金額と、引かれた所得税の額、社会保険料の額です。この3つが書かれているかを見ます。

新しい勤め先の案内を読む入社後すぐ

源泉徴収票を出す期限と出し方(紙かデータか)は、新しい勤め先の案内で確かめます。国税庁の資料には勤め先ごとの期限が書かれていないので、この記事でも日付は書きません。

扶養控除等申告書を出す最初の給与の前日まで

国税庁の案内(令和8年分)によると、扶養控除等申告書は、その年の最初の給与を受け取る日の前日までに出します。扶養親族がいない人でも出します。

出していない人の給与には、源泉徴収税額表の「乙」欄が当てはまり、出した場合よりも高い税率になります。

前の勤め先の源泉徴収票を出す新しい勤め先の指定の期限まで

No.2674 は、前の勤め先などに扶養控除等申告書を出して受けた給与は、含めて年末調整をする必要があるとしています。含められるよう、前の勤め先の源泉徴収票を出します。

年末調整のあとの源泉徴収票を保管する翌年1月

年末調整を行った年の源泉徴収票は、No.7411 によると、翌年の1月31日までに交付されます。届いたら、前の勤め先の分と一緒に保管します。

No.2674 は、年末調整で引く基礎控除や扶養控除などは、就職した月数で割らず、全額が認められるとしています。例として、学校を3月に卒業して4月から働き始めた人を挙げています。

前の分を出せないとき、年末調整を受けないときの確定申告

前の勤め先の源泉徴収票で金額を確かめられないときは、年末調整は行えません。No.2674 は、この場合は本人が確定申告で所得税の精算を行うとしています。

年内にどこにも就職せず、年末調整を受けない場合も、確定申告で精算します。タックスアンサー No.2030 は、還付申告の例を挙げています。その一つが、年の途中で退職して年末調整を受けず、源泉徴収された税額が納め過ぎのときです。

還付申告は、確定申告の期間とは関係なく、翌年の1月1日から5年間出せます。源泉徴収された税額が0の人は、申告しても還付される所得税がない、とも書かれています。

申告が必要な人の範囲は、No.1900 に載っています。給与所得者の大部分は年末調整で納税が済み、確定申告は要らないとされています。そのうえで、申告が必要な人を挙げています。給与が2,000万円を超える人や、給与を2か所以上から受けて年末調整されなかった給与がある人などです。自分が当てはまるかは、税務署に確かめます。

その年の源泉徴収票を集める翌年1月から

前の勤め先の分と、新しい勤め先の分を手元にそろえます。申告書に添える書類は、国税庁の「所得税及び復興特別所得税の手引き」にある「申告書に添付・提示する書類」で確かめます。

期間を確かめる申告の前

タックスアンサー No.2020 によると、確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日です。還付申告は、上の期間とは別に出せます。

申告書を作って出す期間の中で

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の画面で金額を入れていくと、自宅で申告書を作って提出できます。提出先は、所轄の税務署です。

出す前に確かめること

ここまでの内容を、チェックリストにしました。当てはまらない項目は、税務署か新しい勤め先の経理に確かめます。

年末調整の前に確かめること0 / 6 完了

就活ノート編集部のアイコン 編集部から

源泉徴収票は、届いたその日に、封筒かファイルの名前に「何年分・どこの勤め先」と書いて保管してください。年末調整の案内や確定申告のときに探さずに済みます。

転職全体の順番は、転職の進め方まとめの記事にあります。

よくある質問

前の勤め先の源泉徴収票が、退職してしばらくたっても届きません。

国税庁の No.7411 によると、年の途中で退職した人への源泉徴収票は、退職の日以後1か月以内に交付する決まりです。届いていないときは、前の勤め先の経理や人事に、交付の時期と方法を問い合わせます。金額を確かめられないままだと年末調整は行えず、確定申告で精算します。

前の勤め先をやめてから、新しい勤め先に入るまで間が空きました。年末調整は受けられますか?

タックスアンサー No.2665 は、年の中途で就職して年末まで勤務する人を、12月の年末調整の対象としています。間が空いたかどうかは、対象の条件に書かれていません。前の勤め先から給与を受けていたときは、その分を含めて年末調整をするので、前の勤め先の源泉徴収票を新しい勤め先に出します。

年内に次の勤め先が決まらないまま、年を越しそうです。

No.2665 によると、年の中途で退職した人は、決められた場合を除いて年末調整の対象になりません。年末調整を受けない場合は、確定申告で精算します。No.2030 によると、年末調整を受けず税額が納め過ぎのときは、翌年1月1日から5年間、還付申告ができます。

前の勤め先から、源泉徴収票がデータで送られてきました。紙でも受け取れますか?

No.7411 によると、データでの提供は、受け取る人の承諾などの要件のもとで認められています。データで提供された場合でも、受け取る人から請求があるときは、書面で交付しなければならないとされています。

参考にした公的資料

制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。

国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2674.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁 タックスアンサー No.7411「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁 タックスアンサー No.2020「確定申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/kyuyosyotokusya.htm(2026年10月9日に確認)

国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/qa.htm(2026年10月9日に確認)

公的機関のページは改められることがあります。手続きの前に、そのときのページで確かめてください。

退職のあとの手続きの全体と、転職全体の順番の記事を並べておきます。

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この記事を書いた人

就活ノート編集部

Only Life 就活ノート

体育会学生の新卒就職支援を専門にする Only Life 株式会社の社内チームで、エントリーシートの添削と模擬面接を担当しています。面接対策150問や公的機関の資料を使った記事は、本文末の参考欄や根拠欄に出どころを記しています。読んで納得して終わる記事ではなく、読みながら手が動く記事だけを出す方針です。

編集・監修:就活ノート編集部 / 担当領域:退職と手続き・公的資料の確認 / 編集部の記事一覧