説明会の資料や募集要項を読むと、「営業職」「ITエンジニア」「生産技術」のような職種の名前が並んでいます。どれも聞いたことのある名前なのに、入社してから毎日何をする仕事なのかを説明しようとすると、言葉が続きません。面接で関わりたい職種を聞かれたらと考えると、志望動機も書き進められずにいます。
読み終えると、職種の名前を国の職業分類で確かめる手順が手元に残ります。職業情報提供サイト(job tag)で仕事の中身を書き写し、求人票の「職種」「仕事の内容」と照らす手順も並べます。
この記事では、職種の向き不向きや年収・求人の数は書かず、job tagの賃金や求人倍率の数値も扱いません。仕事の中身を調べる手順に絞り、職種を選ぶ物差しを記事の側で決めないためです。分類とサイトの中身は2026年10月9日に公的機関の資料で確かめて末尾の参考欄に載せ、例はすべて架空にしています。
この記事の結論
職種の名前は、求人を出す会社が書く呼び名です。まず厚生労働省編職業分類で、その仕事が入る大分類・中分類・小分類を確かめます。
分類が分かったら、job tagで同じ分類の職業のページを開き、タスク(職業に含まれるこまかな仕事)を書き写します。
求人票や募集要項の「職種」「仕事の内容」と書き写したタスクを照らし、書かれていない仕事は説明会や面接で聞く質問にします。
職種の名前と、厚生労働省編職業分類
求人票や募集要項の職種の名前は、求人を出す会社が書くものです。ハローワークの会社向けのページも、なじみのある職種名だけでは、募集している仕事の中身は分からないとしています。
会社がどの事業をしているか(業界)は、業界研究のやり方の記事で、産業の分類を使って調べます。この記事は、会社の中でどんな仕事をするか(職種)に絞ります。
厚生労働省編職業分類は、労働政策研究・研修機構のページによると、厚生労働省が職業安定法にもとづいて定めた分類です。ハローワークの職業紹介の仕事で共通して使われ、いまの分類は2022年4月に公表された改定版です。
分類は大分類・中分類・小分類に分かれており、15の大分類ごとのページがハローワークインターネットサービスで読めます。小分類には、その項目に入る職業の名前の例が、「〇」の印のあとに並びます。「☓」の印のあとには、入らない職業の名前が、入る先の番号とともに並びます。
名前が似ていても、入る項目が分かれる例(職業分類のページで2026年10月9日に確認)
「システムエンジニア(業務用システム)」は、009-01(WEB・オープン系のソフトウェア開発)に入ります。
「セールスエンジニア(電子計算機)」は、営業の職業の048-04 機械器具営業員に入ります。
「営業アシスタント」と「受発注管理事務員」は、事務的職業の040-01 営業事務員に入ります。
「社内システムエンジニア」は、主にする仕事で分かれます。設計が中心なら010-02 ITシステム設計技術者に、運用が中心なら010-04 ITシステム運用管理者に入ります。
同機構の「職業分類の解説」によると、いくつもの仕事を受け持つ人は、いちばん長い時間をかける仕事で分類します。求人票の仕事の内容に作業がいくつも並んでいるときも、どれが中心の仕事かを確かめてから項目を選びます。
職種の名前を写す最初に
求人票や募集要項の職種の名前を、書かれたとおりに写します。
大分類のページで探す次に
見当をつけた大分類のページで、職種の名前やその一部の語をページ内検索で探します。
〇か☓かを見る見つかったら
〇の側なら、小分類の番号と名前を書き写します。☓の側なら、添えられた番号の項目へ移ります。
名前で見つからないときあれば
仕事の内容にある作業の言葉(売る、設計する、運用する など)で探し、中分類の中身を解説で確かめます。
営業職・ITエンジニア・生産技術は、分類のどこに入るか
営業職
営業の仕事は、大分類07(販売・営業の職業)の中分類048(営業の職業)に入ります。解説によると、ここに入るのは、会社や個人の見込客を訪ねるなどして取引を勧め、交渉し、受注や契約まで進める仕事です。小分類は、扱う商品やサービスの種類で分かれています。
たとえば、048-04 機械器具営業員や、IT営業員などが入る048-06 通信・情報システム営業員があります。
ITエンジニア
ソフトウェアを作る仕事や、情報システムを設計・運用する仕事は、大分類02(研究・技術の職業)に入ります。中分類は、情報処理・通信技術者が、ソフトウェア開発をする009と、それ以外の010の二つに分かれています。この記事では、この二つの中分類の仕事をITエンジニアと呼びます。
解説によると、009には、要件定義や設計、プログラミング、テストなど、ソフトウェアを作るための技術の仕事が入ります。010には、システムの企画・設計、プロジェクトの管理、運用・管理、通信ネットワークの構築などが入ります。
生産技術
生産技術の仕事は、大分類02(研究・技術の職業)の中分類007(製造技術者)に入ります。たとえば、007-04 機械製造技術者の〇の例には、「機械生産技術者」が載っています。
解説によると、鉱工業の技術者は、開発の仕事をする006(開発技術者)と、それ以外の技術の仕事をする007に分かれます。007の仕事の代表は、製品の設計の情報から工程や作業の手順を組む生産技術者です。工程管理や品質管理の仕事も、007に入ります。
工場で設備を動かす、機械を組み立てる、製品を検査する仕事は、大分類12「製造・修理・塗装・製図等の職業」に入ります。
job tagの職業のページで、タスクを書き写す
分類で番号が分かったら、厚生労働省のjob tagで、その分類の職業のページを開きます。「職業分類で検索」で書き写した小分類を選ぶと、その分類に入る職業のページの一覧が出ます。
例の職種で出てきた職業のページ(job tagの「職業分類で検索」で2026年10月9日に確認)
048-04 機械器具営業員:OA機器営業
048-06 通信・情報システム営業員:コンサルティング営業(IT)
009-01(WEB・オープン系のソフトウェア開発):システムエンジニア(受託開発)など五つ
007-04 機械製造技術者:生産・品質管理技術者、精密機器技術者
007-05 自動車製造技術者:自動車技術者
職業のページのいちばん上には、職業別名、職業分類、属する産業が並び、職業別名には同じ仕事の別の呼び名が載っています。たとえば、OA機器営業の職業別名には「セールスエンジニア(電気機器)」があります。自動車技術者は、職業別名に「自動車生産技術者」があり、開発の006と製造の007の両方の小分類に入っています。
仕事の中身を確かめるのに使うのは、「タスク(職業に含まれるこまかな仕事)」の一覧です。一つひとつの仕事が短い文で並んでいるので、求人票と照らす表の行にできます。
タスクの一覧から(job tagの職業のページ。短く言い換えたもの)
OA機器営業:カタログや提案書で説明する/見積もりを作る/契約書を作る/機器を設置して設定する
システムエンジニア(受託開発):顧客への聞き取り/要件定義/基本設計/詳細設計/テスト/運用開始後の対応
生産・品質管理技術者:生産計画を立てる/品質管理の手順と規格値を決める/作業場の配置を設計する/不良の原因を調べる
求人票・募集要項の「職種」「仕事の内容」と照らす
ハローワークの「求人票(大卒等)の見方のポイント」は、「職種」「仕事の内容」の欄について説明しています。この欄には、採用されて最初にする仕事と、将来見込まれる仕事の変更の範囲が書かれます。入社後に、職種をまたいで異動する場合があることにも触れています。
「求人情報の見方」のページによると、仕事の内容を変える予定が無い求人には、「変更範囲:変更なし」と書かれます。
会社向けのページ「応募したくなる求人へ!」は、仕事の内容を具体的に書くよう会社に勧めています。営業の求人なら、扱う製品、顧客の層、営業する地域、新規の開拓が要るかといった点です。
欄を写す最初に
求人票や募集要項の「職種」「仕事の内容」を、書かれた言葉のまま写します。
タスクと並べる次に
書き写したタスクの横に、仕事の内容にある作業を並べ、同じ作業や近い作業に印をつけます。
印のつかないものを分ける並べたら
印のつかなかったタスクは、その会社でするかどうかが書かれていない仕事です。job tagに無い作業も、中身を確かめたい点として書きます。
変更の範囲を写すあわせて
変更の範囲の書き方を写し、変更なしか、変更後の仕事が書かれているかを確かめます。
一文にまとめる最後に
重なった作業を使って、その会社でする仕事を、誰に・何を・どうするの形で一文にまとめます。
名前だけのメモ(架空)
職種:技術職。ものづくりに関わる仕事。
照らしたメモ(架空)
【職種】生産技術職(求人票の言葉のまま)。【分類】007 製造技術者、近い職業は生産・品質管理技術者(job tag)。【重なる作業】生産計画を立てる、品質管理の手順を作る。【聞くこと】作業場の配置の設計もするかを、説明会で聞く。【変更の範囲】〇〇の業務と書かれている。
→ 照らしたメモには、分類の番号、近い職業、重なる作業、聞くこと、変更の範囲が入っています。名前だけのメモでは、説明会で何を聞くかが決まりません。
このメモは、企業研究のやり方の記事で作る表の「仕事」の欄に貼ります。同じ職種の名前で、会社ごとに仕事の中身が違えば、その違いが一つの表で見えます。
面接対策150問で、職種の話を声に出す
職種のメモができたら、面接対策150問で、次の問いに声に出して答えます。答えには、求人票の職種の名前と、書き写したタスクの言葉を使います。
関わりたい職種を言うQ109
Q109(関わりたい事業や職種)に、メモの一文と、その職種を選んだ理由になる経験を続けて答えます。
強みを作業につなげるQ14
Q14(強みを仕事でどう活かすか)には、タスクの中から、自分の強みを使える作業を一つ選んで答えます。
希望と違う配属を考えておくQ120
変更の範囲と異動の書き方を読んでから、Q120(希望と違う職種や地域になったら)への答えを決めておきます。
書かれていない仕事を聞くQ135
印のつかなかった仕事は逆質問にして、Q135(配属や評価について確かめたいこと)で聞き方を確かめます。質問の作り方は逆質問の記事にあります。
職種を調べ終えたか確かめること0 / 5 完了
職種のメモは、応募する会社が変わっても同じ欄で作ってください。同じ「営業職」でも、扱う商品やサービスが違えば、入る小分類も、書き写すタスクも変わります。
よくある質問
自分に向いている職種は、どう調べればいいですか?
この記事では、向き不向きは書きません。job tagのタスクの一覧と、自分がこれまでにしてきたことを並べ、重なる作業を書き出すところまでを扱います。経験の書き出し方は、自己分析のやり方の記事にまとめています。
求人票の職種の名前と、職業分類の名前が違います。書類や面接では、どちらを使いますか?
書類と面接では、応募先の求人票や募集要項に書かれた職種の名前を使います。職業分類の名前は、仕事の中身を調べるための手がかりとして使います。
職種が一つに決まっていない募集は、どう調べればいいですか?
仕事の内容に、入社後に受け持つ可能性のある仕事が並んでいれば、一つずつ職業分類とjob tagで調べます。書かれていなければ、配属の決め方と最初にする仕事を、説明会や面接で聞く質問にします。
job tagに書かれた仕事は、応募先の会社の仕事と同じですか?
同じとは限りません。job tagは職業ごとの一般的な情報で、応募先でする仕事は、求人票や募集要項と、説明会や面接で確かめます。照らしたときに重ならなかった仕事を、聞く質問にします。
参考にした公的資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」(令和4年改定。大分類ごとのページへの入口)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」02 研究・技術の職業
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」06 事務的職業
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」07 販売・営業の職業
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」12 製造・修理・塗装・製図等の職業
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
労働政策研究・研修機構「職業分類表 改定の経緯とその内容:第5回改定厚生労働省編職業分類」
https://www.jil.go.jp/
労働政策研究・研修機構「第5回改定厚生労働省編職業分類の解説」(PDF)
https://www.jil.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業分類で検索」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「OA機器営業」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「コンサルティング営業(IT)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(受託開発)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「生産・品質管理技術者」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「自動車技術者」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「求人情報の見方」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「求人票(大卒等)の見方のポイント」(PDF)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「応募したくなる求人へ!」(求人者向け)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
職種の中身が分かったら、応募先の会社ごとに確かめます。企業研究と業界研究の記事を並べておきます。
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