履歴書とエントリーシート(ES)の、趣味や特技を書く欄を前に、手が止まっています。続けていることはあっても、人に言えるほどの特技ではない気がして、「特になし」と書きかけました。面接で「休日は何をしていますか」と聞かれたときに、何を話すかも決まっていません。
この記事を読み終えると、趣味・特技の候補を書き出した紙と、欄に書く一行が手元に残ります。面接で聞かれたときに話す順番と、面接対策150問で練習する問いの番号も分かります。
先に、この記事の立場を書いておきます。どの趣味なら選考で得をするかは書かず、趣味や特技の一覧も作りません。会社が書類や面接で何を見るかは、外からは分からないからです。欄の決まりは厚生労働省とハローワークの資料で確かめて末尾の参考欄に載せ、例はすべて架空のものにしています。
この記事の結論
趣味・特技は、一週間の時間の使い方から候補を書き出し、続けている期間と、自分で決めているやり方が言えるものを選びます。
厚生労働省の様式例では、特技は志望の動機などと同じ欄にあります。ハローワークのパンフレットに沿って、志望の動機や仕事で使える技能を先に書き、趣味は短く添えます。
面接では、何をしているか、知らない人に向けた説明、続けるための工夫の順に話します。愛読書や購読新聞のように思想・信条に関わることは、厚生労働省が企業に把握しないよう求めている事項です。
趣味・特技を書く欄を、用紙ごとに確かめる
厚生労働省の公正採用選考特設サイトは、大学などを卒業する予定の人を募集する会社に向けて、二つの用紙を示しています。新規大学等卒業予定者用の参考例(以下、参考例)と、厚生労働省履歴書様式例(以下、様式例)です。応募先が用紙やESの形を決めているときは、その指定に従います。
二つの用紙の、趣味・特技に関わる欄
様式例:「趣味」という名前の欄はありません。特技は、「志望の動機、特技、好きな学科…」で始まる一つの欄の中にあります。
参考例:自己紹介書の面に、「趣味」「特技」という名前の欄はありません。ある欄は、得意な科目及び研究課題、クラブ活動・スポーツ・文化活動など、資格等、志望の動機・アピールポイント等の四つです。
参考例を使うときは、続けている活動がスポーツや文化活動にあたるなら、クラブ活動などの欄に書けるかを見ます。
厚生労働省は、様式例は参考として示したもので、会社はほかの履歴書やESを使うこともできるとしています。会社のESに趣味・特技の欄や設問があれば、その字数と問い方に合わせて書きます。
ハローワークの「応募書類の作り方」のパンフレットは、特技の欄に書く方法を二つ挙げています。一つは、応募先で使える技能や技術を書く方法です。もう一つは、特技の意味を広くとって、趣味・スポーツ・ボランティア活動などの個人的な活動を書く方法です。
様式例では、特技の欄が志望の動機やアピールポイントと同じ枠にあります。パンフレットは、この欄では個人的な活動よりも、志望の動機やアピールポイント、技能・技術を優先するとしています。個人的な活動の中でも、仕事に関係するものから書くとしています。
資格・段位・級の書き方と、大会の成績をどの欄に書くかは、資格・段位と大会の成績の書き方の記事で扱っています。この記事で扱うのは、それ以外の趣味と特技です。履歴書のほかの欄は、履歴書の書き方(新卒)の記事にまとめています。
候補を書き出して、書くものを選ぶ
この記事では、続けている個人的な活動を「趣味」、頼まれたらできる作業や技能を「特技」と呼び分けます。候補は、言葉から探さずに、ふだんの時間の使い方から探します。
一週間の時間の使い方を書き出す最初に
授業とアルバイトのほかに何に時間を使ったかを、平日と休日に分けて書き出します。予定表や写真を見返すと、思い出しやすくなります。
続けている期間と頻度を書き添える次に
書き出したことごとに、いつから続けているか、週や月に何回くらいかを書き添えます。
自分で決めているやり方を書く次に
道具の選び方、記録の付け方、続けるための決まりなど、自分で決めてやっていることを一つずつ書きます。
できる作業を書き出す並べて
授業・ゼミ・アルバイト・サークルで身につけた作業のうち、人に頼まれたらできることを書きます。例(架空):表計算ソフトで集計表を作る。パンフレットは、資格が無くても応募先で使える技能があれば、特技の欄に書けるとしています。
選ぶときは、三つを見ます。続けている期間と頻度が言えるか、自分で決めたやり方が一つあるか、知らない人に短く説明できるかです。実際に続けていないことは、面接で重ねて聞かれたときに話が続かなくなるので、書きません。
「趣味がない」と思ったときの書き出し方
趣味という言葉から探して何も出てこないときは、探す順番を変えます。この段階では、書けるかどうかを決めずに、出てきたものをすべて残します。
先週の行動を、時間の順に書く最初に
先週の月曜から日曜まで、授業とアルバイトのほかにしたことを、時間の順に書きます。例(架空):通学の電車で語学のアプリを開いた、日曜に一週間分の料理を作った。
二回以上したことに印をつける次に
同じ週に二回以上したことと、先月もしていたことに印をつけます。印のついたものが、続けている活動の候補です。
やり方を一言足す印のついたものに
自分で決めているやり方を一言足します。例(架空):「動画を見る」は、「〇〇の分野の解説動画を見て、出てきた言葉を調べてメモする」になります。
それでも出てこないときは、前の章の「できる作業を書き出す」に戻り、特技のほうから探します。経験を広く書き出す方法は、自己分析のやり方の記事にもまとめています。人といるときの動き方を言葉にするときは、自己分析チェック(80問)の結果も使えます。
欄には、名前に期間とやり方を添えて一行で書く
欄には、趣味や特技の名前だけでなく、続けている期間と、自分で決めているやり方を添えます。名前だけでは、読む人がどんな活動かを思い浮かべにくいからです。
名前だけの例(架空)
趣味:料理、散歩 特技:パソコン
期間とやり方を添えた例(架空)
特技:表計算ソフトでの集計(ゼミの調査で、〇〇件の回答を集計表にまとめた)
趣味:週末の作り置き(〇年。日曜の朝に一週間分の献立と買う物を決めてから作る)
→ 添えた例には、何ができるか、どれくらい続けているか、自分で決めているやり方が入っています。
様式例の欄では、志望の動機とアピールポイントを書いたあとに、特技や趣味を一行か二行で添えます。ESの欄で字数に余裕があれば、一行の形に、その活動の中の場面を一つ足します。書いた内容は、面接でそのまま聞かれても話せるものにします。
面接で聞かれたときの話し方
パンフレットは、出した履歴書のコピーを取っておき、面接の前に書いた内容を確かめるよう勧めています。趣味や特技の話も、書類に書いた一行から始めます。
何をしているかを一文で言う最初に
趣味を一つに絞り、何をしているかを一文で言います。頻度と続けている期間を添えます。面接対策150問のQ21(趣味や休日の過ごし方)で練習できます。
知らない人に向けて、面白さを説明する次に
面白いと思っているところを一つ言い、それが分かる場面を一つ話します。専門の言葉は、ふだんの言葉に置き換えます。Q22(知らない人にも分かるように説明する)で練習できます。
続けるために決めていることを話す重ねて聞かれたら
「好きだから」で終えずに、続けるために決めているやり方を話します。Q23(やめないための工夫)で練習できます。
人と一緒のときの役回りを話す聞かれたら
友人やサークルの集まりでの役回りを聞かれたら、役回りを一つ言い、それが出た場面を一つ話します。Q24(友人の集まりでの役回り)で練習できます。
話が続かない例(架空)
趣味は料理です。気分転換になるので続けています。
順番どおりに話した例(架空)
週末に、一週間分のおかずを作り置きするのが趣味です。〇年ほど続けています。面白いのは、献立を先に決めると、買う物と作る順番が一度に決まるところです。最初は作りすぎて余らせていたので、いまは食べた量を記録して、次の週の量を決めています。
→ 話した例には、何をしているか、期間、面白いところ、続けるためのやり方が入っています。
面接対策150問の趣味・人柄の分野の説明は、無理に仕事と結びつけず、続けている理由をそのまま話すことを勧めています。書類の欄では仕事に関わるものを先に書き、面接では続けている理由を自分の言葉で話す、と分けて準備します。分野の問いは、趣味・人柄の分野(Q21〜Q25)でまとめて練習できます。
愛読書や購読新聞など、思想・信条に関わることを聞かれたら
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、採用選考を、応募者の適性と能力に基づいた基準で行うことを基本にしています。そのうえで、適性・能力と関係のない事項を、応募用紙に書かせたり面接で尋ねたりして把握しないよう、事業主に求めています。
同じページは、思想・信条に関わることを「本来自由であるべき事項」としています。例として挙がっているのは、宗教、支持政党、購読している新聞や雑誌、愛読書などです。
厚生労働省の特設サイトは、面接での不適切な質問の例に、購読している新聞や愛読書を尋ねる質問を挙げています。同じサイトの事業主向けのQ&Aは、緊張をほぐすつもりで聞いたことにも、こうした事項が入りうると注意しています。
趣味の話の流れで、何を読んでいるか、どの新聞を読んでいるかを聞かれたときに、答えるかどうかは自分で決めます。返し方の例と、聞かれたあとに残す記録は、面接で答えなくていい質問の記事にまとめています。聞かれたことは、最寄りのハローワークか都道府県労働局に相談できます。
書類も同じ考え方です。特設サイトのQ&Aは、面接の質問だけでなく、応募用紙やESの記入項目も、ハローワークに相談できるとしています。趣味・特技の欄に、宗教や支持政党に関わる活動を書くかどうかも、自分で決めます。
書類を出す前と、面接の前に確かめること0 / 6 完了
書いた一行は、その活動を知らない家族や友人に読んでもらい、何をしているのかが伝わったかを聞いてください。伝わらなかった言葉は、面接の前に、ふだんの言葉に言い換えておきます。
よくある質問
趣味と特技は、どう分けて書けばいいですか?
欄が分かれているときは、続けている個人的な活動を趣味に、頼まれたらできる作業や技能を特技に書きます。特技の欄しかない様式例では、ハローワークのパンフレットに沿って、仕事で使える技能を先に書き、趣味はそのあとに添えます。
「特になし」と書いてもいいですか?
会社が「特になし」をどう扱うかは、外からは分かりません。書く前に、先週の行動を時間の順に書き出し、二回以上したことに印をつける手順を試してください。様式例では、特技は志望の動機と同じ枠なので、その欄は志望の動機とアピールポイントから書き始められます。
面接で、好きな本や読んでいる新聞を聞かれました。答えないといけませんか?
厚生労働省は、購読している新聞や雑誌、愛読書などを思想・信条に関わる事項として、企業が把握しないよう示しています。示し方は企業に向けたもので、答えるかどうかは自分で決めます。聞かれたことは記録し、必要ならハローワークか都道府県労働局に相談します。
趣味は、仕事に結びつけて話したほうがいいですか?
面接対策150問の趣味・人柄の分野の説明は、無理に仕事と結びつけず、続けている理由をそのまま話すことを勧めています。書類の欄では、ハローワークのパンフレットに沿って、仕事に関係するものを先に書きます。
参考にした公的資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。
厚生労働省「厚生労働省履歴書様式例」(A4版、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「応募書類の作り方」パンフレット(1. 履歴書、PDF)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「求職者の皆様へ」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「よくある質問」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
趣味・特技の欄を書いたら、履歴書の残りの欄と、資格・大会の成績の書き方も確かめます。二つの記事を並べておきます。
【完全無料】
書いた趣味・特技と話し方を、一緒に確かめる
はじめに状況をお聞きします。そのうえで、合いそうな条件や職種をお伝えします。面談のあとは、書類を見たり、模擬面接をしたりできます。どれを進めるかは、面談の最後に決めます。
LINEで相談する※相談は無料です。LINEで申し込めます。面談はオンラインで、最短当日です。初回の面談は10〜15分ほどが目安で、カメラオフ・私服で構いません。