夏のインターンシップに参加した会社から、「早期選考のご案内」というメールが届きました。正式な選考は6月からだと聞いていたのに、なぜいま案内が来るのか。参加しないと不利になるのか。参加したら、ほかの会社の就活はどうなるのか。返事の期限だけが近づいています。
この記事を読み終えると、政府の就職・採用活動の日程ルール、早期選考について政府の要請に書かれていること、6月より前に選考に移れる例外、インターンシップで会社が得た学生情報の扱い、案内が届いたときに確かめることが手元に残ります。
先に、この記事の立場を書いておきます。「早期選考に参加しないと不利になる」「参加したほうが内定が近い」とは書きません。外からは分からず、公的な出どころも無いからです。書くのは、内閣官房などが出した28卒向けの要請と、文部科学省・厚生労働省などの3省がまとめたインターンシップの基本的な考え方に書かれていることだけです。末尾の参考欄に出どころと確かめた日を載せています。
この記事の結論
28卒(2027年度に卒業・修了する予定の人)向けの政府の要請は、広報活動の開始を3月1日以降、採用選考活動の開始を6月1日以降、正式な内定日を10月1日以降とする日程ルールを原則としています。
日程ルールを守るよう企業に改めて求める理由として、同じ要請は、広報活動やインターンシップなどを通じて選考が早い時期に進んでいることを挙げています。就職・採用活動が早く始まって長引き、学業との両立が難しくなっている、という説明です。
早期選考の案内が届いたら、それがどの活動にあたるか、日時が学業と重ならないか、承諾の期限はいつかを確かめてから、参加を決めます。
政府の就職・採用活動の日程ルール
内閣官房などが出した28卒向けの要請は、次の日程を原則としています。要請は、政府から経済団体などを通じて企業に向けて出されたものです。
広報活動の開始卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
28卒の場合は、2027年3月1日以降です。
採用選考活動の開始卒業・修了年度の6月1日以降
28卒の場合は、2027年6月1日以降です。
正式な内定日卒業・修了年度の10月1日以降
28卒の場合は、2027年10月1日以降です。
要請の注は、採用選考活動を、時間と場所(オンラインを含む)を決めて学生を拘束して行う面接や試験などとし、エントリーシートの提出や、ウェブテスト・テストセンターでの受検などによる事前の絞り込みは、日程や場所について学生の裁量が大きいことから、採用選考活動と区別しています。日程の全体は、28卒の就活スケジュールの記事にまとめています。
早期選考について、要請に書かれていること
日程ルールを守るよう企業に改めて求める背景を、要請は、関係省庁の連絡会議がまとめた考え方が示す最近の実態として書いています。広報活動やインターンシップなどを通じて選考が早い時期に進み、就職・採用活動が早く始まって長引き、学生の学業と就職活動の両立が難しくなっている、という内容です。要請の前文には、開始日より前に実質的な採用選考活動が行われ、就職活動が年々早期化・長期化していることも書かれています。
この記事でいう早期選考は、6月1日より前に行われる、面接などの選考のことです。言葉の決まった定義は要請にはありません。案内の名前が「早期選考」でなくても、中身が面接や試験であれば、この記事の確かめ方を当てはめます。
6月より前に選考に移れる例外
同じ要請は、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に行われるものを通じて、高い専門的知識や能力があると判断された学生については、3月から行われる広報活動の周知期間を短くして、6月より前から採用選考のプロセスに移れるとしています。インターンシップの類型と選考の準備は、インターンの選考対策の記事にまとめています。
インターンシップで会社が得た学生情報の扱い
文部科学省・厚生労働省などの3省は、学生のキャリア形成支援についての基本的な考え方をまとめています。会社がインターンシップなどで得た学生の情報は、使える時期が、取組を行った時期ごとに分けられています。広報活動に使える時期と、採用選考活動に使える時期は、別々に書かれています。
取組を行った時期ごとの、学生情報の扱い(基本的考え方の別紙2から)
卒業・修了前年次の2月末まで(広報活動の開始より前):基本的には、広報活動・採用選考活動に使えない。タイプ3のインターンシップのうち、広報活動と採用選考活動に使う趣旨を、あらかじめ示していたものだけは、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使える。
卒業・修了前年次の3月から卒業・修了年次の5月末まで:広報活動に使える。あらかじめ趣旨が示されたタイプ3のインターンシップに限り、6月以降は採用選考活動に使える。
卒業・修了年次の6月以降:使える。
同じ別紙は、学生が自分で会社に出したエントリーシートや成績表などに、インターンシップなどへの参加の事実が書かれている場合は、ほかの書類と同じように広報活動・採用選考活動に使って差し支えないとしています。
案内が届いたら確かめること
どの活動にあたるかを確かめる最初に
案内に書かれているのが、説明会なのか、面接や試験なのか、インターンシップなのかを確かめます。分からなければ、案内の問い合わせ先に尋ねます。
日時と学業の予定を並べる次に
案内の日時と、授業・ゼミ・試験の予定を並べます。重なるときは、別の日にできるかを尋ねます。
承諾の期限を確かめる内々定が出たら
内々定や内定が出たら、承諾の期限と、断るときの連絡の方法を確かめます。考える時間がほしいときは、期限について相談します。
内定や内々定を条件に、ほかの会社への就職活動をやめるよう学生に迫る行為は、いわゆるオワハラにあたります。要請は、これを「職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為」とし、行わないよう求めています。承諾と辞退の伝え方は、内定承諾と内定辞退の伝え方の記事にまとめています。
早期選考の案内に返事をする前に確かめること0 / 4 完了
早期選考の案内が来た会社も、来ていない会社も、同じ予定表に書いてください。日付の並びで見ると、どの準備をいつまでにするかが一つの表で決められます。
よくある質問
早期選考に参加しないと、不利になりますか?
この記事では書きません。外からは分からず、公的な出どころも無いからです。案内がどの活動にあたるかと、学業の予定を確かめてから、参加するかを決めます。
早期選考で内々定が出たら、ほかの会社の就活をやめないといけませんか?
政府の要請は、内定や内々定と引き換えに、ほかの会社への就職活動をやめるよう学生に強要する行為(いわゆるオワハラ)などを、許されない行為として、行わないよう企業に求めています。承諾の期限と、断るときの連絡の方法を確かめます。
6月より前の面接は、要請に反しているのですか?
この記事では、個別の判断は書きません。要請の日程ルールは原則で、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で高い専門的知識や能力があると判断された学生については、6月より前に採用選考に移れる例外があります。
インターンシップに参加したことは、選考で使われますか?
3省の基本的考え方は、会社がインターンシップなどで得た学生情報を使える時期を、取組の時期とタイプごとに分けています。自分でエントリーシートなどに参加の事実を書いた場合は、ほかの書類と同じように使って差し支えないとされています。
参考にした公的資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。
内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」
https://www.cas.go.jp/
内閣官房ほか「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」(令和8年3月24日、PDF)
https://www.cas.go.jp/
文部科学省・厚生労働省ほか「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日一部改正、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進」
https://www.mext.go.jp/
日程の全体と、インターンシップの選考の準備の記事を並べておきます。
【完全無料】
早期選考の案内への返事を、一緒に整理する
はじめに状況をお聞きします。そのうえで、合いそうな条件や職種をお伝えします。内定が出たあとも、相談を受けます。
LINEで相談する※相談は無料です。LINEで申し込めます。面談はオンラインで、最短当日です。初回の面談は10〜15分ほどが目安で、カメラオフ・私服で構いません。