「先輩から聞いた試験の時期、民間の面接と重なりそう」。インターンシップの予定を手帳に書き込みながら、手が止まったことはありませんか。
試験の勉強も、民間の準備も、どちらも止められない。民間の内定が先に出たら、試験の結果を待たずに返事をするのかも、決めにくいですよね。
答えから書きます。試験の日程は、国家公務員なら人事院の発表、地方公務員なら自治体の募集案内で確認します。民間の三つの日付と一つの予定表にまとめると、重なる日がわかります。内定の返事の期限が先に来たら、延長を相談できるかを問い合わせましょう。
この記事は、公務員の試験を受けるつもりで、民間企業のインターンシップにも参加している人に向けて書きました。合格のコツや倍率、どんな人が公務員に向いているかは、公的な出典が無いので書きません。制度と日程は、公的機関の資料で確かめたものだけです。資料の一覧は、末尾の「参考にした資料」にまとめました。
この記事でわかること
試験の種類と日程は、国家公務員なら人事院の発表と受験案内、地方公務員なら自治体の募集案内で確認します。
民間の三つの日付と、試験の申込み・試験日・合格発表の日を、一つの予定表にまとめます。
国家公務員は、試験の合格とは別に官庁訪問があり、内々定はそのあとに出ます。試験の最終合格は、採用の決定ではありません。
民間の内定の返事の期限が先に来るときは、期限と返事の方法を企業の案内で確認します。延長を相談できるかは、採用の担当者に問い合わせましょう。
公務員試験と民間の就活は、何が違いますか?
公務員試験と民間の就活は、日程の決まり方と、受かったあとの段階が違います。民間の日程は企業ごとに決まり、28卒向けの政府の要請が目安の日付を示しています。次の表で、三つを比較します。
| 比べること | 国家公務員 | 地方公務員 | 民間企業 |
|---|---|---|---|
| 試験の種類と日程を確認する場所 | 人事院の発表と、試験ごとの受験案内 | 受けたい自治体の募集案内 | 政府の要請の三つの日付と、企業ごとの案内 |
| 試験や選考を行う組織 | 試験の案内は人事院が出し、採用の面接は各府省などが行う | 人事委員会など。人事委員会を置かない自治体では任命権者 | それぞれの企業 |
| 申込みの方法 | インターネットで受け付ける(2026年の試験では、事前登録と申込みの2段階) | 募集案内で確認する | 企業ごとの案内で確認する |
| 合格したあと | 採用候補者名簿に載り、官庁訪問を経て内々定が出る | 人事委員会を置く自治体では、採用候補者名簿の中から任命権者が採用する | 正式な内定日は2027年10月1日以降(要請の原則) |
ポイント
公務員の試験は、合格しただけでは採用が決まりません。国家公務員なら官庁訪問を経て、人事委員会を置く自治体なら採用候補者名簿の中から、採用が決まります。予定表には、この段階の時期も書き込んでおきましょう。
公務員試験の種類と日程は、どこで確かめますか?
国家公務員の試験は人事院のページで、地方公務員の試験は受けたい自治体の募集案内で確認します。ここからは国家公務員と地方公務員に分けて、確認する場所と内容を説明します。
国家公務員の試験
国家公務員の採用試験は、人事院の「国家公務員試験採用情報NAVI」で調べられます。試験の種類・受験資格・日程・申込みの方法は、試験ごとのページと受験案内で確認してください。大学・大学院の卒業程度の試験は、次の表のとおりです。
| 試験 | 大学・大学院の卒業程度の試験 |
|---|---|
| 総合職試験 | 院卒者試験と大卒程度試験。大卒程度試験には教養区分もある |
| 一般職試験 | 大卒程度試験 |
| 専門職試験(大卒程度) | 皇宮護衛官、刑務官、法務省専門職員(人間科学)、財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官、海上保安官の9つの採用試験 |
総合職試験と一般職試験(大卒程度試験)には「教養区分」があります。教養区分の合格者が載る名簿は、有効期間がほかの区分より長く決められています。受験資格も区分ごとに違うので、受験案内での確認が必要です。
2027年の春に行う試験の日程は、人事院が2026年3月5日に発表しました。一般職試験と専門職試験(どちらも大卒程度試験)は、2026年の試験より1か月ほど早まります。総合職試験(春)も早まります。先輩から聞いた時期をそのまま使わず、受ける年の発表で確認しましょう。
注意
この発表で日が決まっているのは、第1次試験です。申込みの受付や合格発表は、「1月下旬」「7月上旬」のような時期で示されています。
これから公表される日程は、次の二つです。この記事を書いた2026年10月9日の時点では、どちらもまだ公表されていません。
- 正式な申込みの期間と、第1次試験の合格発表から後の日程:2026年11月中旬をめどに公表の予定
- 総合職試験の教養区分(秋にも行われます)の、2027年の秋の日程など:2026年12月下旬に公表の予定
申込みは、どの試験もインターネットで受け付けると示されています。2026年の試験の申込みのページでは、手続きが「事前登録」と「申込み」に分かれていました。事前登録だけでは申込みが終わらないと注意されていたので、2027年の試験も申込みのページで手順をチェックしてください。
地方公務員の試験
都道府県や市町村の職員、警察や消防の職員などの採用試験は、受けたい自治体の募集案内で確認します。採用のための試験や選考は、人事委員会などが行うと、地方公務員法で決められています。人事委員会を置かない自治体では、任命権者が行う決まりです。
人事委員会を置く自治体では、人事委員会が試験ごとに採用候補者名簿を作ります。任命権者は、その名簿に載った人の中から採用します。合格の発表から採用が決まるまでの段階も、募集案内で確認しておきましょう。
募集案内では、次の項目を確認します。
- 試験の区分と受験資格
- 申込みの期間と方法
- 試験の日と合格発表の日
- 採用までの流れ
案内がまだ出ていない自治体は、予定表に「未公表」と書いておきます。案内を確認しに行く日も、決めておきましょう。
民間の日程と試験の日程を、一つの予定表に並べる手順
民間企業の日程は、28卒向けの政府の要請で、三つの日付が原則とされています。広報活動の開始は2027年3月1日以降、採用選考活動の開始は6月1日以降、正式な内定日は10月1日以降です。日付の意味は、28卒の就活スケジュールの記事にまとめています。
では、試験と面接が重なる日は、どうすれば前もってわかるのでしょうか。一つの予定表に、両方の日付を書き込むことです。
予定表は、紙でも表計算のソフトでもかまいません。次の順に書いていきます。
民間の三つの日付を書く最初に
2027年3月1日、6月1日、10月1日を書きます。要請は企業に向けた原則です。受ける企業の日程は、その企業の案内で確認して書き足してください。
公務員試験の日付を書く次に
- 申込みの期間
- 第1次試験の日
- 合格発表の日と、最終合格の発表の日
- 国家公務員の試験なら、官庁訪問の時期(決まり方は次の見出しで説明します)
受ける試験ごとに、この日付を書きます。まだ公表されていない日付は、「11月中旬に公表予定」のように予定を書いておきます。
民間の応募先の日付を書き足す応募先が決まったら
応募先が決まるたびに、次の日付を企業ごとに書き足していきましょう。
- エントリーシートの締切
- Webテストの期限
- 面接の日
重なる日に印をつける最後に
試験の日と面接の日が重なったら、その日に印をつけ、動かせる予定がないかを確認します。民間の面接の日を変えられるかは、その企業に問い合わせてください。
2026年10月9日に確認した日付だけで作ると、次の表のようになります。「目安」と書いた日付は、正式な公表のあとに書き直してください。地方公務員の試験を受けるときは、募集案内の日付を同じ表に書き足します。
| 時期 | 国家公務員の試験(大卒程度) | 民間の就活(要請の原則) |
|---|---|---|
| 2027年1月下旬〜2月上旬(目安) | 総合職試験(春)の申込みの受付 | — |
| 2027年2月上旬〜3月上旬(目安) | 一般職試験と専門職試験(大卒程度試験)の申込みの受付 | — |
| 2027年2月28日(日) | 総合職試験(春)の第1次試験 | — |
| 2027年3月1日以降 | — | 広報活動の開始 |
| 2027年4月25日(日) | 専門職試験(大卒程度試験)の第1次試験 | — |
| 2027年5月2日(日) | 一般職試験(大卒程度試験)の第1次試験 | — |
| 2027年5月下旬 | 総合職試験(春)の最終合格者の発表 | — |
| 2027年6月1日以降 | — | 採用選考活動の開始 |
| 2027年7月上旬(航空管制官は8月中旬) | 一般職試験と専門職試験(大卒程度試験)の最終合格者の発表 | — |
| 2027年10月1日以降 | — | 正式な内定日 |
編集部
予定表には、日付がまだ決まっていない行も、「11月中旬に公表予定」のように残しておいてください。公表の予定日を書いておくと、人事院や自治体のページを確認しに行く日を決められます。
国家公務員は、試験に最終合格すれば採用されますか?
最終合格だけでは、採用は決まりません。国家公務員の採用試験に最終合格した人は、採用候補者名簿に載ります。各府省などは、名簿に載った人と面接をして、採用する人を決めます。
各府省を訪ねて業務の説明や面接を受けることを、官庁訪問と呼びます。官庁訪問は、民間企業でいう採用選考活動にあたる段階です。内々定や内定は、官庁訪問を経て出されます。
官庁訪問について、決まっていることを整理します。
- 総合職試験と一般職試験(大卒程度試験)の官庁訪問のルールと日程は、年度ごとに、各省庁の人事担当課長会議の申合せで決まります。
- 大卒程度の一般職試験の官庁訪問は、第1次試験の合格発表のあとに始まります。
- 2027年の試験でも、最終合格者の発表のあとに、各府省から内々定が出されると説明されています。
- 10月1日以降に解禁となる内定は、一つの省庁からしか受けられません。
- 人事院は、民間企業と併願している人などについて、訪問を始めた時期が遅れたことを理由に不利に扱うことはない、としています。
2027年度の官庁訪問の時期は、人事院の採用情報のページで確認し、予定表に書き足してください。ルールと日程は年度ごとに決まるので、受ける年度の申合せを見ておきます。
民間の面接で、ほかの選考のことを聞かれたらどう答えますか?
答えるときは、事実だけを短く伝えます。民間の面接では、ほかの企業の選考の状況や、内定を出したら入社するかを聞かれることがあります。
メモ
この二つは、面接対策150問のQ118(他社の選考状況と志望順位)とQ119(内定を出したら入社するか)で練習できます。
公務員試験を受けていることを話すかどうかは、自分で決めてかまいません。話すときは、事実と違うことを言わず、受けている試験の名前といまの段階を短く伝えます。志望の順位も、自分の軸をもとに整理しておきましょう。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
例文:公務員試験を受けていると話すとき
国家公務員の一般職試験を受けていて、いまは第1次試験の結果を待っています。民間企業では、御社を含めて〇社の選考に進んでいます。
例文の「〇社」には、話す時点の社数を入れてください。試験の段階が進んだら、話す内容も更新しておきます。
民間の内定の返事が、試験の結果より先に来たらどうしますか?
まず、承諾の返事の期限と方法を、企業の案内で確認します。期限が、公務員試験の最終合格の発表や、官庁訪問・採用面接の結果より先に来ることもあります。そのときは、期限の延長を相談できるかを、採用の担当者に問い合わせましょう。
返事までの手順は、四つです。予定表を作ってあれば、二つめの手順はすぐに終わります。
返事の期限と方法を確認する連絡を受けたら
承諾の返事の期限と方法を、企業の案内で確認します。わからない点は、採用の担当者に問い合わせてください。
期限を予定表に書き、試験の結果の日と並べる次に
- 最終合格の発表の日
- 国家公務員の試験なら、官庁訪問の時期
- 自治体の試験なら、合格の発表から採用までの段階
間に合わないときは、延長を相談する期限より前に
期限に試験の結果が間に合わないときは、延長を相談できるかを採用の担当者に問い合わせます。相談は、期限を過ぎてからではなく、期限の前にしましょう。
書き方の例:返事の期限の延長を相談するメール
件名:内定のお返事の期限についてのご相談(〇〇大学 〇〇〇〇)
内定のご連絡、ありがとうございます。お返事の期限は、〇月〇日と伺っています。
あわせて公務員試験を受けており、最終合格の発表が〇月〇日の予定です。結果を確認してからお返事したいと考えています。期限を〇月〇日まで延ばしていただくことは可能でしょうか。
難しい場合は、その旨をお知らせください。いただいた期限までに、お返事いたします。
注意
28卒向けの要請は、次の行為を、いわゆるオワハラとしています。内定や内々定と引き換えに、ほかの企業への就職活動をやめるよう強要する行為です。要請は、職業選択の自由を侵すおそれのある許されない行為として、企業に行わないよう求めています。
延長に応じるかどうかは、それぞれの企業が決めることです。承諾と辞退の伝え方は、内定承諾と内定辞退の伝え方の記事にまとめています。
民間の内定に返事をする前に確認すること0 / 6 完了
質問と答え
公務員試験と民間の就活を両方進めると、どちらかで不利になりますか?
この記事では、選考でどう扱われるかの見通しは書きません。会社や府省が何を見るかは、外からはわからないからです。人事院は、国家公務員の官庁訪問について、民間企業と併願している人などを、訪問を始めた時期が遅れたことを理由に不利に扱うことはない、としています。
民間の内定の返事の期限が、公務員試験の結果より先に来ます。
期限と返事の方法を企業の案内で確認し、延長を相談できるかを採用の担当者に問い合わせます。28卒向けの政府の要請は、内定などと引き換えに、ほかの会社への就職活動をやめるよう強要する行為(いわゆるオワハラ)を、行わないよう企業に求めています。
3年生の秋に、総合職試験の教養区分を受けました。最終合格したら、官庁訪問はいつですか?
学部3年次に教養区分に最終合格し、翌々年度の4月の採用を希望するときは、翌年度の夏の官庁訪問に参加します。たとえば、2026年度の教養区分に最終合格して2028年4月の採用を希望するなら、2027年度の夏の官庁訪問です。ルールと日程は、年度ごとの申合せで確認します。
公務員試験に合格したあと、民間企業に入ったら、合格はどうなりますか?
国家公務員の試験の合格者が載る名簿には、最終合格の発表から5年間など、区分ごとの有効期間があります。期間内なら、同じ試験を受け直さずに官庁訪問に参加できるとされています。ただし、期間内に内定ではなく採用される必要があります。
参考にした資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確認したものだけを書いています。それぞれ、確認した日を添えました。
人事院「2027年の国家公務員採用試験(春)の日程について」(令和8年3月5日)
https://www.jinji.go.jp/
人事院「2027年の総合職試験(春)、一般職試験(大卒程度試験)、専門職試験(大卒程度試験)の試験日程」(別紙、PDF)
https://www.jinji.go.jp/
人事院 国家公務員試験採用情報NAVI「試験情報」
https://www.jinji.go.jp/
人事院「国家公務員採用試験インターネット申込み」
https://www.jinji-shiken.go.jp/
人事院 国家公務員試験採用情報NAVI「採用情報に関するQ&A」
https://www.jinji.go.jp/
人事院 国家公務員試験採用情報NAVI「官庁訪問に関するQ&A」
https://www.jinji.go.jp/
e-Gov法令検索「地方公務員法」(第17条の2・第18条・第21条)
https://laws.e-gov.go.jp/
内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」
https://www.cas.go.jp/
内閣官房ほか「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」(令和8年3月24日、PDF)
https://www.cas.go.jp/
次の二つの記事では、民間の日程の意味と、内定の承諾と辞退の伝え方をまとめています。予定表を作ったあとに読むと、日付の意味と返事の伝え方を確認できます。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。