「趣味・特技の欄、何を書けばいいんだろう」。履歴書を前に、ペンが止まったことはありませんか。
続けていることはあっても、人に言えるほどの特技ではない気がする。「特になし」と書きかけて、消す。面接で「休日は何をしていますか」と聞かれたときに何を話すかも、決めにくいですよね。
先に、答えを書いておきます。候補は、ふだんの時間の使い方から書き出します。欄には、名前に続けている期間と自分で決めているやり方を添えて、一行で書きましょう。面接では、何をしているか・面白い点・続けるための工夫の順に話します。
この記事は、履歴書やエントリーシート(ES)の趣味・特技の欄を書く人に向けて書きました。どの趣味なら選考で得をするかは書かず、趣味や特技の一覧も作りません。会社が書類や面接で何を見るかは、外からはわからないからです。欄の決まりは、厚生労働省とハローワークの資料で確認したことだけです。資料と確認した日は、末尾の「参考にした資料」にまとめました。
この記事でわかること
趣味・特技の候補を書き出し、欄に書く一行を作れるようになります。
厚生労働省の様式例では、特技は志望の動機などと同じ欄にあります。ハローワークのパンフレットに沿って、志望の動機や仕事で使える技能を先に書き、趣味は短く添えてください。
面接では、何をしているか・知らない人に向けた説明・続けるための工夫の順に話しましょう。
愛読書や購読新聞のように思想・信条に関わることは、厚生労働省が企業に把握しないよう求めている事項です。
趣味・特技は、用紙のどの欄に書きますか?
書く欄は、用紙によって違います。厚生労働省の公正採用選考特設サイトは、大学などを卒業する予定の人を募集する会社に向けて、二つの用紙を示しています。新規大学等卒業予定者用の参考例(以下、参考例)と、厚生労働省履歴書様式例(以下、様式例)です。
| 用紙 | 趣味・特技に関わる欄 |
|---|---|
| 様式例 | 「趣味」という名前の欄は無い。特技は、「志望の動機、特技、好きな学科…」で始まる一つの欄の中にある |
| 参考例(自己紹介書の面) | 「趣味」「特技」という名前の欄は無い。ある欄は、得意な科目及び研究課題/クラブ活動・スポーツ・文化活動など/資格等/志望の動機・アピールポイント等の四つ |
応募先が用紙やESの形を決めているときは、その指定に従います。参考例を使うときは、続けている活動がスポーツや文化活動にあたるなら、クラブ活動などの欄に書けるかを見てください。
厚生労働省は、様式例は参考として示したもので、会社はほかの履歴書やESを使うこともできるとしています。会社のESに趣味・特技の欄や設問があれば、その字数と問い方に合わせて書きましょう。
ハローワークの「応募書類の作り方」のパンフレットが、特技の欄に書く方法として挙げているのは、次の二つです。
- 応募先で使える技能や技術を書く
- 特技の意味を広くとって、趣味・スポーツ・ボランティア活動などの個人的な活動を書く
様式例では、特技の欄が志望の動機やアピールポイントと同じ枠にあります。パンフレットによると、この欄では個人的な活動よりも、志望の動機やアピールポイント、技能・技術を優先します。個人的な活動の中でも、仕事に関係するものから書くとされています。
メモ
資格・段位・級の書き方と、大会の成績をどの欄に書くかは、資格・段位と大会の成績の書き方の記事で扱っています。この記事で扱うのは、それ以外の趣味と特技です。履歴書のほかの欄は、履歴書の書き方(新卒)の記事にまとめています。
趣味・特技の候補は、どう探しますか?
ふだんの時間の使い方から探します。この記事では、続けている個人的な活動を「趣味」、頼まれたらできる作業や技能を「特技」と呼び分けます。
一週間の時間の使い方を書き出す最初に
授業とアルバイトのほかに何に時間を使ったかを、平日と休日に分けて書き出します。思い出すときは、予定表や写真を見返してください。
続けている期間と頻度を書き添える次に
書き出したことごとに、いつから続けているか、週や月に何回くらいかを書き添えます。
自分で決めているやり方を書く次に
道具の選び方・記録の付け方・続けるための決まりなど、自分で決めてやっていることを一つずつ書きましょう。
できる作業を書き出す同時に
授業・ゼミ・アルバイト・サークルで身につけた作業のうち、人に頼まれたらできることを書きます。たとえば、「表計算ソフトで集計表を作る」です。パンフレットは、資格が無くても応募先で使える技能があれば、特技の欄に書けるとしています。
選ぶときは、次の三つを確認します。
- 続けている期間と頻度が言えるか
- 自分で決めたやり方が一つあるか
- 知らない人に短く説明できるか
実際に続けていないことは、書かないでください。書いた内容は、面接で重ねて聞かれることがあります。
「趣味がない」と思ったら、どう書き出しますか?
探す順番を変えます。趣味という言葉から探すのをやめて、先週の行動から書き出してください。この段階では、書けるかどうかを決めずに、出てきたものをすべて残します。
先週の行動を、時間の順に書く最初に
先週の月曜から日曜まで、授業とアルバイトのほかにしたことを、時間の順に書きます。たとえば「通学の電車で語学のアプリを開いた」「日曜に一週間分の料理を作った」のように書きます。
二回以上したことに印をつける次に
同じ週に二回以上したことと、先月もしていたことに印をつけます。印のついたものが、続けている活動の候補です。
やり方を一言足す印のついたものに
自分で決めているやり方を一言足しましょう。たとえば「動画を見る」なら、「〇〇の分野の解説動画を見て、出てきた言葉を調べてメモする」のように足します。
それでも出てこないときは、前の見出しの「できる作業を書き出す」に戻り、特技のほうから探してください。
メモ
経験を広く書き出す方法は、自己分析のやり方の記事にもまとめています。人といるときの動き方を整理するときは、自己分析チェック(80問)の結果も使ってください。
欄には、どんな形で書きますか?
趣味や特技の名前に、続けている期間と、自分で決めているやり方を添えます。名前だけでは、何をどのくらい続けているかが書かれていないからです。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
例文:名前だけの形
趣味:料理、散歩 特技:パソコン
例文:期間とやり方を添えた形
特技:表計算ソフトでの集計(ゼミの調査で、〇〇件の回答を集計表にまとめた)
趣味:週末の作り置き(〇年。日曜の朝に一週間分の献立と買う物を決めてから作る)
→ 添えた例には、何ができるか・どれくらい続けているか・自分で決めているやり方が入っています。
様式例の欄では、志望の動機とアピールポイントを書いたあとに、特技や趣味を一行か二行で添えます。ESでは、設問の字数に合わせます。字数に余裕があれば、一行の形に、その活動の中の場面を一つ足しましょう。
書いた内容は、面接でそのまま聞かれても話せるものにしてください。
面接で聞かれたら、どの順番で話しますか?
書類に書いた一行は、面接でどう話せばいいのでしょうか。書いた一行から始めて、何をしているか・面白い点・続けるための工夫の順に話します。パンフレットは、出した履歴書のコピーを取っておき、面接の前に書いた内容を確かめるよう勧めています。
何をしているかを一文で言う最初に
趣味を一つに絞り、何をしているかを一文で言います。頻度と続けている期間を添えてください。面接対策150問のQ21(趣味や休日の過ごし方)で練習しましょう。
知らない人に向けて、面白さを説明する次に
面白いと思っている点を一つ言い、それがわかる場面を一つ話します。専門の言葉は、ふだんの言葉に置き換えます。Q22(知らない人にもわかるように説明する)で練習できます。
続けるために決めていることを話す重ねて聞かれたら
「好きだから」で終えずに、続けるために決めているやり方を話します。練習には、Q23(やめないための工夫)を使ってください。
人と一緒のときの役回りを話す聞かれたら
友人やサークルの集まりでの役回りを聞かれたら、役回りを一つ言い、それが出た場面を一つ話します。Q24(友人の集まりでの役回り)で練習してください。
例文:話が続かない答え
趣味は料理です。気分転換になるので続けています。
例文:順番どおりに話した答え
週末に、一週間分のおかずを作り置きするのが趣味です。〇年ほど続けています。面白いのは、献立を先に決めると、買う物と作る順番が一度に決まるところです。最初は作りすぎて余らせていたので、いまは食べた量を記録して、次の週の量を決めています。
→ 話した例には、何をしているか・期間・面白い点・続けるためのやり方が入っています。
面接対策150問の趣味・人柄の分野の説明は、無理に仕事と結びつけず、続けている理由をそのまま話すことを勧めています。書類の欄では仕事に関わるものを先に書き、面接では続けている理由をそのまま話す、と分けて準備しましょう。分野の問いは、趣味・人柄の分野(Q21〜Q25)でまとめて練習できます。
愛読書や読んでいる新聞を聞かれたら、答えないといけませんか?
答えるかどうかは、自分で決めます。厚生労働省が示しているのは、企業に向けた考え方です。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」によると、採用選考は、応募者の適性と能力に基づいた基準で行うのが基本です。そのうえで、適性・能力と関係のない事項を把握しないよう、事業主に求めています。応募用紙に書かせることも、面接で聞くことも含みます。
同じページは、思想・信条に関わることを「本来自由であるべき事項」としています。例として挙がっているのは、宗教・支持政党・購読している新聞や雑誌・愛読書などです。
メモ
厚生労働省の特設サイトは、面接での不適切な質問の例に、購読している新聞や愛読書を聞く質問を挙げています。同じサイトの事業主向けのQ&Aは、緊張をほぐすつもりで聞いたことにも、こうした事項が入りうると注意しています。
返し方の例と、聞かれたあとに残す記録は、面接で答えなくていい質問の記事を参考にしてください。聞かれたことは、最寄りのハローワークか都道府県労働局に相談できます。
書類も同じ考え方です。特設サイトのQ&Aは、面接の質問だけでなく、応募用紙やESの記入項目も、ハローワークに相談できるとしています。趣味・特技の欄に、宗教や支持政党に関わる活動を書くかどうかも、自分で決めましょう。
書類を出す前と、面接の前に確認すること0 / 6 完了
編集部
書いた一行は、その活動を知らない家族や友人に読んでもらい、何をしている活動かを説明してもらってください。説明が自分の考えと違っていた言葉は、面接の前に、ふだんの言葉に言い換えておきましょう。
質問と答え
趣味と特技は、どう分けて書けばいいですか?
欄が分かれているときは、続けている個人的な活動を趣味に、頼まれたらできる作業や技能を特技に書きます。特技の欄しかない様式例では、ハローワークのパンフレットに沿って、仕事で使える技能を先に書き、趣味はそのあとに添えます。
「特になし」と書いてもいいですか?
会社が「特になし」をどう扱うかは、外からはわかりません。書く前に、先週の行動を時間の順に書き出し、二回以上したことに印をつける手順を試してください。様式例では、特技は志望の動機と同じ枠なので、その欄は志望の動機とアピールポイントから書き始められます。
面接で、好きな本や読んでいる新聞を聞かれました。答えないといけませんか?
厚生労働省は、購読している新聞や雑誌、愛読書などを思想・信条に関わる事項として、企業が把握しないよう示しています。示し方は企業に向けたもので、答えるかどうかは自分で決めます。聞かれたことは記録し、必要ならハローワークか都道府県労働局に相談します。
趣味は、仕事に結びつけて話したほうがいいですか?
面接対策150問の趣味・人柄の分野の説明は、無理に仕事と結びつけず、続けている理由をそのまま話すことを勧めています。書類の欄では、ハローワークのパンフレットに沿って、仕事に関係するものを先に書きます。
参考にした資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確認したものだけを書いています。それぞれ、確認した日を添えました。
厚生労働省「厚生労働省履歴書様式例」(A4版、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「新規大学等卒業予定者用標準的事項の参考例」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「応募書類の作り方」パンフレット(1. 履歴書、PDF)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「求職者の皆様へ」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「よくある質問」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
趣味・特技の欄を書いたら、履歴書の残りの欄と、資格・大会の成績の書き方も確認しましょう。次に読む記事は、次の二つです。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。