「せっかくなら、スポーツに関わる仕事がしたい」。部活を引退して就活を始めると、そう考えることはありませんか。
でも、思い浮かぶのは指導者と選手くらい。求人やインターンをどこで探せばいいのかもわからず、検索の画面の前で手が止まる。何から始めればいいのか、迷いますよね。
先に、答えを書いておきます。スポーツに関わる仕事は、国の職業の分類でも産業の分類でも、一つの項目にまとまっていません。分類で書き出して、探す仕事を一行にまとめてから、求人とインターンを探しましょう。
この記事は、部活を引退して就活を始める学生に向けて書きました。特定の会社を勧めないよう、個別の会社やチーム、リーグの名前は出しません。仕事の向き不向きや入りやすさは、公的な出典が無いので書きません。分類と制度は、厚生労働省・総務省・文部科学省などの資料で確認したことだけです。資料と確認した日は、末尾の「参考にした資料」にまとめました。
この記事でわかること
スポーツに関わる仕事は、職業の分類でも産業の分類でも、いくつかの大分類に分かれています。「スポーツ」「運動」などの語で分類表を探し、書き出す手順がわかるようになります。
書き出した職業は、job tagで仕事の内容を確認してください。産業と組み合わせて「どこで、何をする仕事か」を一行で書けるようになります。
求人は、大学・新卒応援ハローワーク・会社の採用ページで探します。インターンは、3省の基本的考え方の類型と、募集要項の就業体験の内容・実施時期で確認しましょう。
スポーツに関わる仕事は、どう分けて探しますか?
職業と産業の二つに分けて探します。「スポーツに関わる仕事」には、二つの意味が混ざっているからです。
| 意味 | 例 | 探す分類 |
|---|---|---|
| 仕事の内容がスポーツであるもの | 指導や審判 | 職業の分類 |
| スポーツに関わる事業をしている所で働くもの | 用具を作る、施設を運営する | 産業の分類 |
総務省の一般原則によると、日本標準産業分類は、事業所ごとに、その事業所の主な経済活動で当てはめます。同じ事業所で働く人どうしの仕事の内容の違いは、職業の分類で見分けてください。
メモ
業界研究そのものの進め方(産業の分類で地図を作り、業界どうしを比較する手順)は、業界研究のやり方の記事にまとめています。この記事で扱うのは、スポーツに関わる仕事に絞った、求人とインターンの探し方です。
仕事の内容は、どこで調べますか?
職業分類とjob tagで調べます。ハローワークインターネットサービスには、厚生労働省編職業分類(令和4年改定)が大分類ごとに載っています。項目ごとに、入る職業の名前の例と、別の項目に入る職業の名前が書かれています。
「スポーツ」の語がある項目は、次の表の大分類に分かれていました(2026年10月9日に確認)。項目名と、入る職業の名前の例の両方から探した結果です。
| 大分類 | 「スポーツ」の語がある項目 |
|---|---|
| 03 法務・経営・文化芸術等の専門的職業 | 020-01「職業スポーツ家」、015-03「記者、編集者」 |
| 04 医療・看護・保健の職業 | 024-04「理学療法士」 |
| 05 保育・教育の職業 | 032-02「スポーツ・舞踊指導員」 |
| 07 販売・営業の職業 | 045-14「他の商品販売店員」、048-99「その他の営業の職業」 |
| 09 サービスの職業 | 056-08「娯楽場・スポーツ施設等接客員」、057-99「その他の居住施設・ビル等の管理の職業」 |
例示の職業名を見ると、職業スポーツ家にはプロスポーツの監督やコーチ、スポーツ審判員が入っています。
同じ「トレーナー」でも、入る項目は仕事の内容で変わります。プロスポーツでコーチを務める人は職業スポーツ家に、理学療法士である人は理学療法士に入ります。フィットネスクラブのトレーナーは、スポーツクラブ指導員などと同じスポーツ・舞踊指導員です。
呼び名ではなく、仕事の内容で項目を選びましょう。内容は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で、次の順に確認してください。
分類のページで語を探す最初に
職業分類のページを大分類ごとに開き、「スポーツ」「運動」「競技」などの語をページの中で検索します。見つかった項目の名前と番号は、紙に書き写しておきましょう。
job tagで項目を選ぶ次に
job tagの「職業分類で検索」は、職業を厚生労働省編職業分類ごとに整理しています。書き写した項目を選ぶと、その項目に入る職業のページを探せます。
職業のページを読む職業ごとに
職業のページの「どんな仕事?」「就業するには?」「労働条件の特徴」などの欄を読んでください。職業に含まれるこまかな仕事(タスク)の一覧も読み、仕事の内容を一文にまとめます。
ページには、その職業の職業分類と属する産業も書かれています。スポーツインストラクターなら、スポーツ・舞踊指導員と、教育、学習支援業です。
見つからないときあれば
職業のページが見つからない項目は、「フリーワードで検索」に例示の職業名を入れて探しましょう。
スポーツに関わる事業は、どこで調べますか?
総務省の日本標準産業分類で調べます。総務省は、令和5年7月に告示された日本標準産業分類について、分類項目表をPDFで公表しています。
この表で「スポーツ」「運動」「競技」の語を含む項目は、次の大分類に分かれていました(2026年10月9日に確認)。
| 大分類 | 「スポーツ」「運動」「競技」の語を含む項目 |
|---|---|
| E 製造業 | 3253「運動用具製造業」、1165(スポーツ用の衣服などの製造業) |
| I 卸売業、小売業 | 5593「スポーツ用品卸売業」、6071「スポーツ用品小売業」 |
| K 不動産業、物品賃貸業 | 7051「スポーツ・娯楽用品賃貸業」 |
| N 生活関連サービス業、娯楽業 | 8025「演芸・スポーツ等興行団」、803「競輪・競馬等の競走場、競技団」、804「スポーツ施設提供業」(体育館、ゴルフ場、フィットネスクラブなどを含む) |
| O 教育、学習支援業 | 8246「スポーツ・健康教授業」 |
名前の近い事業でも、主な活動で入る分類が変わります。総務省の説明では、フィットネスクラブは8048に、スイミングスクールは8246に入ります。
注意
教えていても、施設の提供が主な事業所は804に入るとされています。事業の名前だけで分類を決めないでください。
自分の競技から、次の順に書き出しましょう。
自分の競技から書き出す最初に
競技で使ってきた用具やウェア、練習した施設、通った教室などを書き出します。たとえば、用具を買った店・練習に使った体育館・子どものころ通った水泳の教室です。
分類で探す次に
書き出したものを分類項目表で探し、番号と名前を書き写します。内容がわからない項目は、総務省の大分類ごとの「説明及び内容例示」で確認してください。
産業から職業を見る最後に
job tagの「産業で検索」では、日本標準産業分類の産業を選んで、そこで働く人の職業を探せます。出てきた職業は、前の見出しの書き出しに書き足しましょう。
探す仕事は、どうやって一行にまとめますか?
調べた職業と産業を組み合わせます。「どこで、何をする仕事か」を一行で書いてください。一行にしておけば、求人を探すときに検索欄に入れる言葉が決まります。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
例文:書けていない一行
スポーツに関わる仕事がしたい。
例文:書けている一行
【どこで】スポーツ用品卸売業(5593)の会社。【何を】小売店に商品を提案し、注文を受ける営業の職業。【確認した先】job tagの職業のページ。
→ 書けている例には、産業の項目、職業、仕事の内容を確認した先が入っています。
自分の一行には、産業の項目と職業が入っていますか。入っていなければ、前の二つの見出しの表に戻って書き足しましょう。一行は、職業と産業の組み合わせごとに一つずつ書きます。
職業と産業を組み合わせる最初に
書き出した職業から関わりたいものを三つ選びます。それぞれに働く場所になりそうな産業を組み合わせて、一行ずつ書いてください。
声に出して確認する次に
書いた一行を、面接対策150問のQ109(当社のどの事業や職種に関わりたいですか)に答える形で声に出します。一行の言葉のまま言えるかを、チェックしましょう。
求人は、どこで探しますか?
探す場所は三つです。大学のキャリアセンター・ハローワーク・会社の採用ページです。どの場所でも、一行に書いた職業と産業の言葉を手がかりにしてください。
大学のキャリアセンター最初に
大学のキャリアセンターなど就職の窓口で、大学を通して閲覧できる求人やインターンの案内と、学内の手続きを聞きます。一行に書いた仕事を見せて、どこから探すかを一緒に確認しましょう。
新卒応援ハローワーク次に
厚生労働省のページによると、新卒応援ハローワークは、大学等を卒業する予定の学生と、卒業後おおむね3年以内の人が使えます。全国の求人を検索でき、求人の探し方や求人票の見方の説明も受けられます。
新卒応援ハローワークが公開する求人の対象は、卒業年次と既卒の人です。ハローワークインターネットサービスのQ&Aに、そう書かれています。それより前の学年なら、求人は企業研究の材料として読んでください。
ハローワークインターネットサービス自分で探すとき
求人情報検索で、求人区分の「新卒・既卒求人」を選びます。フリーワードに一行の職業や産業の言葉を入れ、検索する欄を職種・仕事内容・事業内容などから選びましょう。
同じQ&Aによると、公開された学卒求人に応募するときは、求人情報の「応募・選考要領」に沿って自分で会社に連絡します。紹介状が要る求人では、新卒応援ハローワークで発行されます。
会社の採用ページ気になる会社が見つかったら
採用ページで、募集している職種と仕事の内容を読み、一行に書いた職業と突き合わせてください。事業の内容を公表資料で確認する手順は、企業研究のやり方の記事にまとめています。
インターンは、募集要項の何を確認しますか?
類型・就業体験の内容・実施の時期です。まずは類型からです。文部科学省・厚生労働省などの3省がまとめた基本的考え方は、学生のキャリア形成支援の取組を四つの類型に分けています。
| 類型 | 内容 | インターンシップか |
|---|---|---|
| タイプ1 | オープン・カンパニー | インターンシップとは呼ばれない |
| タイプ2 | キャリア教育 | インターンシップとは呼ばれない |
| タイプ3・タイプ4 | 就業体験を行う | インターンシップとされる |
類型の見分け方と選考の準備は、インターンの選考対策の記事にまとめています。ここで書くのは、スポーツに関わる会社のインターンで、募集要項のどこを確認するかです。
基本的考え方の別紙は、タイプ3の要件の一つに、募集要項などの情報の公表を挙げています。ホームページなどで公表する項目には、次のようなものがあります。
- 目的
- 実施の時期・期間・場所
- 有給か無給か
- 受け入れる職場を含む、就業体験の内容
同じ別紙は、大学の授業として行うものなどを除き、タイプ3を学部3年・4年(修士1年・2年)の長期休暇に行うとしています。部の合宿や遠征、大会の予定と重ならないかを、募集要項の実施時期で先に確認してください。
基本的考え方は、タイプ2〜4のうち一定の水準を満たすものは、大学の単位として認められる場合があるとしています。単位になるかと学内の手続きは、大学の窓口で確かめましょう。
インターンに申し込む前に、募集要項で確認すること0 / 5 完了
編集部
書き出した職業と産業の一覧は、就活のあいだ手元に置いてくださいね。説明会やインターンで知った仕事も、そのつど同じ紙に書き足しましょう。部活と並行して進める順番は、体育会学生の就活のページに引退の月ごとにまとめています。
質問と答え
スポーツに関わる仕事は、競技の実績がないと就けませんか?
応募の条件は、求人票と募集要項で確認します。向き不向きや入りやすさは、公的な出典が無いので書きません。職業ごとの就き方は、job tagの職業のページの「就業するには?」で確認してください。
プロのチームやリーグで働く仕事は、どう探せばいいですか?
特定の会社を勧めないよう、個別の名前は書きません。総務省の産業の分類では、スポーツなどの娯楽を見せる興行場や興行団は、大分類Nの802に入っています。求人は、その会社や団体の採用ページと、ハローワークの求人検索の事業内容で確認してください。
トレーナーの仕事には、資格が要りますか?
仕事によって違います。職業分類では、理学療法士であるスポーツトレーナーは、理学療法士の項目に入ります。job tagで理学療法士の項目も選び、必要な資格を「就業するには?」と求人票の応募の条件で確認しましょう。
インターンは、何年生から探せばいいですか?
3省の基本的考え方では、タイプ3のインターンシップは、学部3年・4年(修士1年・2年)の長期休暇に行うとされています。大学の授業として行うものなどは除かれます。ほかの類型は、参加できる学年を募集要項で確認してください。
参考にした資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確認したものだけを書いています。それぞれ、確認した日を添えました。
ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」(令和4年改定。大分類ごとのページへの入口)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「職業分類で検索」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「スポーツインストラクター」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「産業で検索」
https://shigoto.mhlw.go.jp/
総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」
https://www.soumu.go.jp/
総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」一般原則(PDF)
https://www.soumu.go.jp/
総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」分類項目表(PDF)
https://www.soumu.go.jp/
総務省「大分類N-生活関連サービス業、娯楽業 説明及び内容例示」(PDF)
https://www.soumu.go.jp/
総務省「大分類O-教育、学習支援業 説明及び内容例示」(PDF)
https://www.soumu.go.jp/
厚生労働省「新卒応援ハローワーク」
https://www.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「学生の方」向けの質問と回答(ヘルプ)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
ハローワークインターネットサービス「求人情報検索」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
文部科学省・厚生労働省ほか「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日一部改正、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進」
https://www.mext.go.jp/
書き出した仕事を、業界研究とインターンの準備につなげる記事として、次の二つを紹介します。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。