「最近気になったニュースを1つ教えてください」。面接の練習でこう聞かれて、見出しのあとが続かなかったことはありませんか。
見出しは思い出せても、何が起きたのかを自分の言葉で言えない。なぜ気になったのかも続かない。どのニュースを選べばいいのか、政治の話をしてもいいのかも、迷いますよね。
先に、答えを書いておきます。ニュースは、応募先の事業か自分の経験と結びつくものから選び、発表した組織の資料で確認します。答えは、何が起きたか・なぜ気になったか・自分の考えと行動の順に組みましょう。
この記事は、面接で「気になったニュース」を聞かれる準備をしている人に向けて書きました。「このニュースを話せば選考で得をする」とは書きません。会社が面接で何を見るかは外からはわからず、特定の新聞やアプリをすすめる根拠も無いからです。公正な採用選考の説明は厚生労働省の資料で確認したことだけで、資料は末尾の「参考にした資料」にまとめました。
この記事でわかること
ニュースは、応募先の事業や業界か、自分の経験と結びつくものから選びます。話す前に、発表した組織の資料で確認してください。
答えの部品は、何が起きたか・なぜ気になったか・自分の考えと行動の三つです。重ねて聞かれる問いにも、同じ材料で答えられるようになります。
厚生労働省は、支持政党や宗教、購読新聞・雑誌・愛読書などを、企業が把握しないよう示しています。答えの中でそこに触れるかは、自分で決められます。
練習には、面接対策150問の情報収集・学びの5問(Q81〜Q85)を使ってください。
話すニュースは、どうやって選びますか?
物差しは、二つです。応募先の事業や業界に関わるかと、自分の経験と結びつくかで選びます。次の順に、候補を一つに絞りましょう。
候補を書き出す最初に
最近見聞きしたニュースを、見出しの形で書き出します。
自分の経験との結びつきを一行で書く候補ごとに
そのニュースで思い出した自分の経験を書きます。経験の書き出し方は、自己分析のやり方の記事にまとめています。
一つに絞り、予備を残す最後に
二つの行が両方書けた候補を先に、無ければ片方が書けた候補から、一つを選びます。別の候補を一つ予備に残し、「ほかには」と重ねて聞かれたときに使います。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
書き方の例:選んだニュースのメモ
ニュース:〇〇市が、市の施設の予約を、窓口と電話に加えてスマートフォンからもできるようにすると発表した。
応募先との関わり:応募先の〇〇社は、自治体向けの予約のシステムを作っている。
自分の経験:図書館のアルバイトで、電話の予約を受けていた。
政治や宗教に関わるニュースを選ぶ前に、次の節も読んでください。
企業が把握しないよう示されている事項は、何ですか?
ニュースの答えに関わるのは、思想・信条にかかわる七つの事項です。厚生労働省は、応募者の適性・能力と関係のない事項を把握しないよう、企業に示しています。その中で「本来自由であるべき事項」として挙げられているのは、次の七つです。
- 宗教
- 支持政党
- 思想
- 人生観・生活信条
- 尊敬する人物
- 購読新聞・雑誌・愛読書
- 労働組合や学生運動などの社会運動
応募書類に書かせる・面接で聞く・作文の題にするといった把握には、「就職差別につながるおそれ」があるとされています。厚生労働省の公正採用選考特設サイトでは、面接での質問の例にもふれています。
| 特設サイトのページ | 書かれていること |
|---|---|
| 求職者向けのページ | 面接での不適切な質問の例として、購読している新聞や愛読書を聞く質問と、先日の選挙に行ったかを聞く質問を挙げている |
| 事業主向けの点検資料 | 高校生の採用面接を例に、選挙に行ったかや、有権者として政治の活動に加わることをどう思うかを聞く質問を挙げている。高校生に限らず、思想・信条の把握につながるので、面接の話題として適切ではないとしている |
| 事業主向けのQ&A | 話の流れでうっかり聞いたことにも、こうした事項が入ることがあるとしている |
ニュースの答えでも、選ぶ話題によっては、こうした事項に話がつながることがあります。選ぶのは、自分です。応募先の事業に関わるニュースを選べば、こうした事項に触れずに答えを組み立てられます。
聞かれたときの返し方は、面接で答えなくていい質問の記事を参考にしてください。意図を確認する・仕事との関係に置き換える・答えを控える、の三つをまとめています。
メモ
こうした質問があった場合の問い合わせ先も、厚生労働省の特設サイトに書かれています。最寄りのハローワークか、都道府県労働局です。
ニュースの出典は、どうやって確認しますか?
もとの発表をした組織の資料まで、自分でたどります。ニュースは、どこで見つけたものでも構いません。話す前に、もとの資料(一次の情報)を開きましょう。
見出しや記事の書き手の見方と、資料に書いてあることを分けるためです。次の五つの段で進めます。
発表した組織を探す最初に
記事の中から、国や自治体、会社など、もとの発表をした組織の名前を探します。
もとの資料を開く次に
その組織のホームページで、報道発表やお知らせ、ニュースリリースのページから、もとの資料を探して読みます。会社の公表資料の読み方は、企業研究のやり方の記事にまとめています。
日付と資料の名前を書き留める読んだら
発表した日・資料の名前・自分が確認した日を、会社ごとのメモに書きます。数字が出てくるときは、その数字が何をいつ数えたものかも書きます。
資料にあることと、自分の考えを分ける書くとき
資料に書いてあること・記事の書き手の見方・自分の考えを、別々の行に書きます。
たどれないものは言い切らないたどれないとき
もとの資料が見つからないものは、確認できていないと書き添えます。面接では、資料までたどれた別のニュースを話しましょう。
書き方の例:たどった先のメモ
見つけたもの:〇〇市の施設の予約が、スマートフォンからもできるようになるという記事。
たどった先:〇〇市のホームページの報道発表(20XX年〇月〇日)。始まる日と、対象の施設を確かめた。
面接対策150問のQ81(情報の集め方)では、この手順を、ふだん自分がやっている順番として話します。Q85(情報が正しいかの確かめ方)では、たどった資料を一つ挙げて、どう確認したかを話してください。
情報の集め方を話すとき、読んでいる新聞や雑誌の名前まで出すかは、前の節のとおり、自分で決められます。
答えは、どんな順番で組みますか?
では、選んだニュースをどう話せばいいのでしょうか。答えは、三つの部品で組みます。
部品は、何が起きたか・なぜ気になったか・自分の考えと行動です。最後の部品では、考えたことを受けて自分が動いたことまで話しましょう。
何が起きたか最初の一文
誰が、いつ、何を発表したかを一文で話します。「〇〇市の報道発表で確認しました」のように、出典を添えます。
なぜ気になったか次に
そのニュースが、自分のどの経験と結びついたかを話します。応募先の事業と関わるなら、その接点も一言添えます。
自分の考えと行動最後に
ニュースから考えたことを、一つに絞ります。それを受けて調べたことや、やってみたことを話します。
例文:見出しだけで終わる答え
〇〇市が予約のシステムを新しくしたというニュースです。便利になってよいと思いました。
例文:三つの部品で組んだ答え
〇〇市の報道発表にあった、施設の予約をスマートフォンからもできるようにするというニュースです。図書館のアルバイトで電話の予約を受けていたので、気になりました。新しい方法に移るときは使い方の説明が要ると考え、アルバイト先で予約の手順を紙一枚に書き出しました。
→ 組んだ例文には、出典のついた出来事・自分の経験との結びつき・考えたことと動いたことの三つが入っています。
面接対策150問のQ82(最近気になったニュース)で、答えの全体を声に出して練習しましょう。Q83(そのニュースから得た示唆)では、三つ目の部品を深めます。質問の分け方と、ほかのテーマの番号は、面接で聞かれる質問と答え方の記事にまとめています。
重ねて聞かれる問いには、どう備えますか?
使うのは、同じ材料です。面接対策150問では、Q82のあとに、同じ材料を別の角度から聞く問いを置いています。問いごとの答え方は、次の表のとおりです。
| 重ねて聞かれること | 面接対策150問 | 答え方 |
|---|---|---|
| そのニュースから得た示唆 | Q83 | 考えたことを一文で言い、理由を自分の経験から一つ添える |
| 学んだ知識を活かした経験 | Q84 | 知ったことを試した経験を話す。まだ試していなければ、これから確かめたいことを一つ挙げる |
| 情報が正しいかの確かめ方 | Q85 | たどった資料の名前と、発表した日を挙げる |
| 課題になる点 | Q82の「面接官が重ねて聞くこと」 | そのニュースで、まだ解決していないことを一つ挙げる |
| 応募先の事業とどう関わるか | 応募先ごと | 選ぶときに書いた一行を、企業研究の表の言葉で話す |
応募先の事業に関わるニュースは、面接の最後の逆質問の前置きにも使いましょう。質問の作り方は、逆質問で聞くこと・聞かないことの記事にまとめています。
面接の前に確認すること0 / 6 完了
編集部
資料を開いたら、その日のうちに、資料の名前と発表した日を会社ごとのメモに書き写してください。「どこで知りましたか」と重ねて聞かれても、メモと同じ言葉で答えられます。
質問と答え
政治や宗教に関わるニュースを話してもいいですか?
この記事では、良し悪しは書きません。厚生労働省は、支持政党や宗教、思想などを、企業が把握しないよう示しています。どのニュースを話すか、そこに触れるかは、自分で決められます。
「どの新聞を読んでいますか」と聞かれたら、どうすればいいですか?
厚生労働省の求職者向けのページは、購読している新聞や愛読書を聞くことを、不適切な質問の例に挙げています。返し方は、面接で答えなくていい質問の記事にまとめています。
応募先の業界のニュースが見つかりません。
応募先の会社のお知らせやニュースリリースと、国や自治体の発表から探します。それでも無ければ、自分の経験と結びつくニュースを選びます。
参考にした資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確認したものだけを書いています。確認した日も添えました。
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「求職者の皆様へ」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「よくある質問」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考自主点検資料」(令和8年度版、PDF)
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/
答えの中で触れなくてよい事項と、ほかの質問の組み立ては、次の記事にまとめています。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。