「競技で〇年間積んできたことを、貴社でも活かしたい」。志望動機の欄にそう書いて、手が止まったことはありませんか。
読み返すと、どの会社にも出せる文になっている。その先の一文が、まだ書けない。どこから直せばいいのか、迷いますよね。
先に、答えを書いておきます。志望動機は、競技の中で自分が繰り返した動き方と、応募先の仕事の内容が重なる部分から組み立てます。仕事の内容は、募集の案内や説明会で確認しましょう。
この記事は、引退して志望動機を書き始める体育会学生に向けて書きました。「体育会ならこの業界・この職種」という当てはめは書きません。当てはめると、応募先の仕事を確認する手順を飛ばすことになるからです。体育会の経験が選考でどう扱われるかも、外からはわからないので書きません。問いの番号と分野の説明は、このサイトの面接対策150問から引いています。
この記事でわかること
競技の経験から、志望動機の材料を取り出せるようになります。材料は試合の結果や役職ではなく、自分が繰り返した動き方と、手応えを感じた場面です。
応募先の仕事の内容は、募集の案内・採用ページ・説明会などで確認し、どこで知ったかと一緒に書き留めてください。
経験と仕事が重なる部分を、一文にする組み立てがわかるようになります。
できた一文は、面接対策150問の業界志望理由・企業志望理由の問いで、声に出して確認しましょう。
志望動機は、何と何から組み立てますか?
経験の側と仕事の側の二つで組み立てます。志望動機で聞かれているのは、なぜその会社の、その仕事を選ぶのかです。
「競技で身につけたことを活かしたい」という文には、自分の側の話しか入っていません。応募先の側の話が無いと、会社の名前を入れ替えても通じる文になります。
| 材料 | 何のことか | 集める場所 |
|---|---|---|
| 経験の側 | 競技の中で自分がしてきたこと(動き方と手応え) | 練習・試合・遠征・係・故障で離れていた期間などの場面 |
| 仕事の側 | 応募先で入社してからすること | 募集の案内・採用ページ・説明会・OB・OG訪問 |
メモ
競技の経験を志望動機に使うときに関わる記事は、ほかに三つあります。
- 体育会学生の自己PR:競技の話を、ほかの場面でも同じように動ける行動に言い換える手順
- 志望理由が思いつかないときに、何を調べるか:業界と会社について材料を集める手順
- ESの志望動機の書き方:集めた材料をエントリーシートの字数に収める手順
この記事が受け持つのは、その間です。競技の経験から応募先の仕事につながる材料を取り出し、二つをつなぐ手順を説明します。
競技の経験から、どうやって材料を取り出しますか?
材料は、場面から取り出します。試合に出たかどうか・役職があったかどうか・故障で離れていた期間かどうかは問いません。
場面を書き出す最初に
自分で考えて動いた場面を、五つほど書き出します。練習・試合・遠征・用具や記録の係・後輩への指導・故障で離れていた期間など、どこからでも構いません。一つの場面につき、いつ・何をしたかを一文で書いてください。
動き方を動詞で書く次に
それぞれの場面で自分がしたことを、動詞で書き直します。競技の用語は、競技を知らない人にも通じる言葉に直しましょう。
手応えを感じた瞬間に印を付けるそのあと
同じ場面の中で、いちばん力を入れられた部分や、やっていて手応えを感じた瞬間に印を付けます。
繰り返している動き方を探す最後に
五つの場面を書き出したら、二つ以上の場面に出てくる動き方を探します。授業やアルバイトでも同じ動き方をしていれば、書き足してください。動き方の言葉の候補は、自己分析チェック(80問)の結果からも探せます。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
例文:一つの場面から書き出した動き方と手応え
場面:相手の試合の映像から動きの癖を表にし、試合の前日に配った。
動き方:集める・まとめる・渡す
手応え:配った表を見た仲間が、試合中に声を掛け合って動きを変えたとき。
動詞で書いた動き方は、自分にできることの材料です。印を付けた手応えは、なぜその仕事を選ぶのかの材料になります。二つは、分けて書いておきましょう。志望動機の文の中で、役割を混ぜないためです。
応募先の仕事の内容は、どう確認しますか?
仕事の側の材料は、印象では決めません。会社が公表している情報と、自分で聞いた話から集めます。「体を動かしそう」「チームで動きそう」という印象ではなく、入社してから何をするのかを確認しましょう。
募集の案内の言葉を書き写す最初に
採用ページや募集の案内から、職種の名前と仕事の内容の文を、書かれた言葉のまま書き写します。どこで読んだかも書き添えてください。調べ方の全体は、企業研究のやり方の記事にまとめています。
仕事を動詞に分ける次に
書き写した文を、誰に・何を・どう進めるかに分けて、動詞で書き直します。「取引先の要望を聞き、社内の部署と日程を組み、納品まで進める」という文なら、動詞は「聞く・組む・進める」です。
わからない点を聞く説明会や訪問で
案内を読んでもわからない点を、質問の形にします。たとえば、次のような点です。
- 一日の仕事の流れ
- 一人で進めるのか、組んで進めるのか
- 一つの仕事にかかる期間
説明会やOB・OG訪問で聞き、誰から聞いたかと一緒に書き留めましょう。
聞けなかったことは、面接の最後の逆質問で確認する候補にしておいてください。質問の作り方は、逆質問で聞くこと・聞かないことの記事にまとめています。
経験と仕事が重なる部分は、どう一文にしますか?
線で結んでから、一文ずつ書きます。二つの材料がそろったら、紙の左に経験の側の動き方と手応えを、右に仕事の側の動詞を書き出しましょう。
線で結ぶ最初に
経験の側の動き方と仕事の側の動詞のうち、同じものか近いものを線で結びます。線が一本も引けないときは、仕事の側をもう一度確認してください。それでも引けなければ、競技の外の経験からも動き方を探しましょう。
一文ずつ書く次に
結んだ線を一本選び、次の三つを一文ずつ書きます。
- 仕事の側の事実
- 経験の側の場面
- その場面で感じた手応え
仕事の側の事実には、どこで知ったかを添えてください。
足りない動詞を書き出す最後に
仕事の側にあって、経験の側に無い動詞も書き出します。入社してから身につけたいことの材料です。
例文:会社の名前を入れ替えても通じる文
私は〇年間、競技の練習を一日も休まずに続けてきました。そこで身についた粘りと周りと合わせる力で、貴社の発展に貢献したいと考えています。
例文:仕事の内容とつないだ文
説明会で、〇〇職は取引先ごとに数か月かけて導入の段取りを組む仕事だと伺いました。私は部で、試合までの練習の順番を、出場する人の予定を聞いて組み直す係でした。全員がそろって練習できた週に手応えを感じ、その段取りを仕事にしたいと考えて志望しています。
→ つないだ例には、説明会で聞いた仕事の内容、競技の中の場面、そこで感じた手応えが一つずつ入っています。最初の例は自分の側の言葉だけで、応募先の側の事実が入っていません。
できた一文を、エントリーシートの設問と字数に合わせて組み立てる手順は、ESの志望動機の書き方の記事にまとめています。
面接対策150問では、どの問いで確認しますか?
できた一文は、面接で重ねて聞かれても同じように話せるでしょうか。業界志望理由(Q101〜Q105)と企業志望理由(Q106〜Q110)の問いで、声に出して確認します。
業界志望理由の問いは、人材業界を例にした文です。業界の名前は、自分の志望する業界に置き換えて答えましょう。
作った一文から答える最初に
Q106(なぜ当社を志望するのか)に、前の見出しで作った一文から答えます。答えたら、見本と、重ねて聞かれる質問を読んでください。
職種の名前と、聞いた話で答える次に
Q109(どの事業や職種に関わりたいか)には、募集の案内に書かれた職種の名前で答えます。Q110(説明会やOB訪問で印象に残ったこと)には、誰から何を聞き、それが競技のどの場面と重なったかを答えましょう。
経験の裏づけを確かめるそのあと
Q116(どんな経験に裏づけられているか)で、志望動機と競技の場面が一つずつ対応しているかを確認します。この問いの組み立ての欄は、気持ちの強さではなく事実で話すとしています。
比べる材料を足す最後に
Q101(なぜその業界か)とQ102(他の業界と比べて)は、業界を選んだ理由を聞く問いです。Q107(同業他社と比べて)は、同じ業界の他社と比べる問いです。競技の経験だけでは答えられません。
業界志望理由の分野の説明は、ほかの業界と比べたうえで選んだことを話すとしています。比べる材料は、志望理由が思いつかないときに、何を調べるかの記事の手順で集めてください。
志望動機に使う前に確認すること0 / 6 完了
引退の月ごとに、何から手をつけるかは、体育会学生の就活のページにまとめています。
編集部
志望動機の一文ができたら、同じ会社に出す自己PRと続けて読んでみてください。自己PRの動き方と、志望動機で線を結んだ動き方が同じかを、確認しておきましょうね。
質問と答え
競技に関わる仕事を志望しないと、競技の経験は志望動機に使えませんか?
分野が同じかどうかは、材料を選ぶ条件にしません。競技の中で自分が繰り返した動き方と、応募先の仕事の内容を比較して、重なる部分を探します。重なる部分が見つかれば、分野の違う仕事でも材料になります。
試合に出た経験があまりありません。それでも材料は取り出せますか?
場面を書き出すときに、試合に出たかどうかは問いません。練習の準備・記録や用具の係・故障で離れていた期間に、自分で考えて動いた場面も同じです。同じ手順で、動き方と手応えを書き出しましょう。
志望動機と自己PRで、同じ競技の場面を使ってもいいですか?
使ってかまいません。自己PRではその場面での動き方を、志望動機ではその動き方が応募先の仕事のどこと重なるかを書きます。同じ会社に出す書類と面接で、話が食い違わないようにしましょう。
この記事で挙げた問いと、分野の説明・組み立ての欄の内容は、このサイトの面接対策150問から引いています。数字や体験談は使っていません。
根拠:面接対策150問 Q101・Q102・Q106・Q107・Q109・Q110・Q116次に読む記事として、取り出した材料をエントリーシートの文にする記事と、競技の経験を自己PRに使う記事を紹介します。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。