「取引先と同僚、どちらに先に伝えればいいんだろう」。退職日が決まり、上司にも伝えたあとで、手が止まっていませんか。
転職先の名前は書いていいのか、辞める理由はどこまで書くのかも、決めかねている。挨拶の文を前にして、迷いますよね。
順番は、上司と決めてから、引き継ぎ先と取引先、社内の順です。挨拶に入れるのは、最終出社日・後任・退職後の連絡先の扱いの三つになります。転職先の名前と退職の理由は、書かなくても挨拶は成り立ちます。
この記事は、退職日が決まり、周りへの挨拶を準備している人に向けて書きました。挨拶の文面の作法や法律の判断は、公的な出典で確認していないので書きません。会社の決まりと上司の指示が先だという前提で、自分で準備する手順だけを書きます。
この記事でわかること
連絡の順番は、上司と相談して決めます。上司に伝える前に、周りへ話さないでください。
挨拶に入れるのは、最終出社日・後任・退職後の連絡先の扱いの三つです。
転職先の名前と退職の理由について、書く範囲を自分で決める手順がわかるようになります。
会社の情報は持ち出しません。持ち出してよいかは就業規則と会社の決まりで確認し、迷ったら上司に聞きましょう。
退職の挨拶は、誰から順に伝えますか?
順番は、上司と相談して決めます。上司に伝える前に、同僚や取引先へ話さないでください。退職日と後任が決まる前では、伝える内容がまだ固まっていないからです。
メモ
次の順番は、この記事の考え方です。取引先への連絡を上司が先にする会社も、本人が行う会社もあります。上司の指示を優先してください。
上司に退職を伝える最初に
就業規則で退職の申し出の決まりを確認してから、直属の上司に直接伝えます。伝え方と手続きは、退職の伝え方と手続きの記事にまとめています。
挨拶の進め方を上司と決める上司に伝えたあと
誰に、いつ、どの方法で伝えるかを、上司に聞いて決めましょう。取引先ごとに、上司が先に伝えるのか、自分が伝えるのかも、ここで確認します。決めたことは、手帳に書いておいてください。
引き継ぎ先と取引先に伝える後任が決まったら
先に、引き継ぎ先の人に伝えます。そのあとに取引先へ、後任の名前を添えて伝えましょう。引き継ぎの日程の組み方は、退職までの引き継ぎの進め方の記事にまとめています。
社内に伝える取引先のあと
同じ部署の人から順に、ほかの部署の人へ伝えます。部署全体への連絡の日は、上司と決めてください。
最終出社日に挨拶する最後に
お世話になった人へ、一言の挨拶をします。メールを送るなら、会社のアドレスが使えるうちに送りましょう。使える日は会社によって異なるので、上司に確認してください。
挨拶には、何を入れますか?
入れるのは、三つです。取引先向けでも社内向けでも、最終出社日・後任・退職後の連絡先の扱いを入れます。どれも、退職したあとの連絡の行き先にかかわる情報です。
| 入れること | 書くこと | 書く前に確認すること |
|---|---|---|
| 最終出社日 | 退職日ではなく、最後に出社する日。相手にとっては、直接連絡が取れる最後の日 | 有給休暇を使うと、退職日と最終出社日は別の日になる。書く日が最終出社日かどうかを確かめる |
| 後任 | 後任の名前・部署・連絡先。まだ決まっていなければ、決まる時期と、それまでの連絡先 | 上司に確認してから書く。後任の名前は、本人に伝えてから出す |
| 退職後の連絡先の扱い | 退職後は、会社のアドレスと電話で自分につながらなくなること | 個人の連絡先を書くかどうかは、自分で決める。取引先に私用の連絡先を渡してよいかは、会社の決まりと上司に確認する |
この三つに、お礼の一言を添えましょう。思い出話や、前の職場への不満は入れません。
転職先の名前と退職の理由は、どこまで書きますか?
書かなくても、挨拶は成り立ちます。書くかどうかは、自分で決めてください。決める手順は、次の三つです。
転職先に確認する最初に
転職先の名前を、入社の前に公表してよいかを確認します。内定や入社の案内に公表の扱いが書かれていないかを見ましょう。わからなければ、転職先に問い合わせます。
会社の決まりを確認する次に
就業規則に、退職したあとの転職先や、同じ分野への就職についての決まりがないかを確かめます。取引先に近い会社へ移るなら、書く前に上司へ話しておいてください。
書く範囲を決める最後に
範囲は、次の三段から選びます。
- 何も書かず、「新しい仕事に進みます」とだけ書く
- 業種や職種まで書く
- 会社の名前まで書く
相手によって段を変えるなら、誰にどの段で伝えたかを手帳に残しましょう。
退職の理由を短く書くのは、この記事の考え方です。「一身上の都合」とだけ書く方法もあります。書く場合は事実を一つだけにし、前の職場への不満や特定の人の名前は入れません。
例文は実在の人物・企業のものではありません。
例文:書きすぎた文
来月から〇〇業界の〇〇社に移ります。残業が続いて限界でしたし、上司とも合わなかったので決めました。
例文:範囲を絞った文
〇月〇日で退職し、新しい環境で別の仕事に取り組みます。〇〇の仕事で学んだことは、次の仕事でも生かします。
→ 書きすぎた例には、移る先の会社の名前と、残業や上司への不満が入っています。範囲を絞った例は、どちらも書かずに、退職の日と次の仕事への一言で終えています。
取引先向けと社内向けの文の作り方
では、実際の文はどう組めばいいのでしょうか。宛名から始めて、お礼で終えます。順番は次のとおりです。
- 宛名
- 退職の知らせ
- 最終出社日
- 後任
- 連絡先の扱い
- お礼
長さは、画面を何度も送らずに読める範囲におさめましょう。
例文:取引先向け
〇〇様。営業部の△△です。〇月〇日の出社を最後に、私はこの会社を離れます。〇〇の件でご一緒できたことに、お礼を申し上げます。
今後の連絡は、同じ部署の□□が引き受けることになりました。□□とは引き継ぎを済ませており、連絡先は下に記します。私の会社のアドレスは、最終出社日の翌日から使えなくなる見込みです。
例文:社内向け
〇〇課のみなさんへ。私は〇月〇日の出社を最後に退職します。〇〇の仕事は、□□さんが引き継いでいます。手順は、共有フォルダの引き継ぎ書に書きました。
わからないことは、最終出社日まで私にも聞いてください。一緒に働けたことに、お礼を申し上げます。
ポイント
宛先ごとに、一緒に取り組んだ仕事の名前を一つ入れましょう。例文の型に名前だけを差し替えて送らず、相手ごとに書き変えてください。
会社の情報を持ち出さないために、何を確認しますか?
確認するのは、会社の決まりです。挨拶のために、取引先の連絡先や顧客の情報を、手元に写したくなることがあります。社外に持ち出してよいかは、会社の決まりによります。退職の前に、自分で確認しておきましょう。
決まりを開く最初に
就業規則と、情報の取り扱いについての会社の規程を開きます。見る箇所は、次の三つです。
- 秘密を守る決まり
- 私物の端末やアドレスの使い方
- 退職のときに返すもの
持ち出さないものを書き出す次に
次のものを書き出してください。
- 顧客の名簿と連絡先
- 取引先とのメールの履歴
- 見積書や企画書などの資料
- システムのデータ
それぞれ、持ち出してよいかを決まりと突き合わせて確認します。
迷ったら上司に聞く最後に
決まりに書かれていないものや、読んでもわからないものは、持ち出さずに上司へ聞きましょう。聞いた答えは、メールなど残る形でもらいます。
注意
取引先の連絡先を控えたくなったときも、同じです。自分のスマートフォンや私用のアドレスには写さないでください。挨拶は、会社のアドレスから最終出社日までに送ります。私用の連絡先を伝えたいときは、上司に確認してからにしましょう。
最終日には、社員証・パソコン・書類など、返すものを会社の指示どおりに返します。署名を求められる書類があるときは、内容を読んでください。わからない点は、署名の前に聞きます。
挨拶を送る前に確認すること0 / 7 完了
編集部
挨拶の文は、送る前に上司に見せてくださいね。後任の名前・最終出社日・転職先の扱いが、上司の把握と合っているかを確認するためです。
質問と答え
転職先の名前を聞かれたら、答えなければなりませんか?
答える義務があるかどうかの法律の判断は、公的な出典で確認していないので書きません。答えるかどうかは、転職先と会社の決まりを確認したうえで、自分で決めます。決まっていなければ、「入社の案内を確かめてからお伝えします」のように、答えを先に延ばす一言を用意しておきましょう。
上司に伝える前に、同僚へ話してしまいました。
上司に伝えるときに、話してしまったことも一緒に伝えます。そのうえで、ほかの人へ広がらないように、上司の指示を聞いてください。
送別会や挨拶回りは、出ないといけませんか?
出席するかどうかは、自分で決めます。出ない場合は、上司に早めに伝え、理由は短く伝えましょう。挨拶回りが会社の決まりで行うものかどうかは、上司に確認してください。
取引先に、個人のメールやSNSで挨拶してもよいですか?
会社の決まりと上司に確認してからにします。取引先の連絡先は、会社の情報にあたる場合があります。会社のアドレスから最終出社日までに送るのが、この記事の考え方です。
次に読む記事として、退職までの引き継ぎの進め方と、退職の伝え方と手続きの記事を紹介します。
この記事の内容を、自分の場合に当てはめて相談したいときは、ページの下の案内から申し込めます。