大学3年の秋、届いた案内のメールに「オープン・カンパニー」「選考直結」「早期選考」と、似た言葉が並んでいます。どれが国の資料で使われる言葉で、どれが会社ごとの呼び方なのかが分かりません。返事を書く前に、言葉の意味をそろえておきたいと思いました。
この記事を読み終えると、就活の言葉を、公的資料に説明がある言葉と、そうでない言葉に分けて読めるようになります。届いた案内の言葉を、この記事の言葉に置き換えて読む手順と、詳しい記事への道も手元に残ります。
先に立場を書いておくと、「この催しに出ると有利」のような見立ては、外からは分からないので書きません。説明は公的資料で確かめた言葉にだけ出典名を添え、確かめられない言葉は「この記事での呼び方」として書きます。例は、すべて架空のものです。
この記事の結論
広報活動・採用選考活動・正式な内定日は、28卒向けの政府の要請に説明があります。28卒の原則の日付は、2027年3月1日・6月1日・10月1日です。
インターンシップと呼ぶのは、3省の基本的考え方の4つの類型のうち、就業体験が必須のタイプ3と4です。内定と内々定、オワハラ、職場情報なども、公的資料に説明があります。
選考直結・ES・GDなどは、公的な定義を確かめられなかったので、この記事での呼び方として書きます。届いた案内は、名前ではなく、日時と場所や、参加しないと次に進めないかといった中身で読みます。
日程の言葉
28卒は、2027年度に卒業・修了する予定の人です。内閣官房などは令和8年3月24日付で、この学年の就職・採用活動についての要請を出しました。対象は、国内の大学・大学院修士課程・短大・高専を卒業・修了する予定の人です。
広報活動2027年3月1日以降
要請の注は、採用選考活動に向けて、業界や会社、新卒の求人の情報を、学生に広く伝える活動を広報活動としています。
始まりの時点は、会社の採用サイトや就職情報のサイトなどで、学生の登録の受け付けを始めたときとされています。
採用選考活動2027年6月1日以降
要請の注は、一定の基準で学生を選ぶことを目的にした活動を、採用選考活動としています。
選ぶ意思をもって順位をつけるものや、出ないと次の段階に進めないものが、これにあたります。そのうち、日時と場所(オンラインを含む)を決めて学生を拘束する、面接や試験などを指します。
正式な内定日2027年10月1日以降
正式な内定は、この日以降とされています。
要請は、経済団体などを通じて企業に向けて出されたもので、日程は原則です。前書きには、開始日より前に実質的な採用選考活動が行われ、就職活動の早期化と長期化が進んでいることも書かれています。受ける会社の日程は、その会社の案内で確かめます。
次の章で扱う3省の基本的考え方も、注で二つの言葉を短く説明しています。広報活動は、採用のための情報を学生に伝え、実質的な選考にはならない活動です。採用選考活動は、実質的な選考を行う活動や、採用のために参加が必須の活動です。
「エントリー」という言葉は要請にも出てきますが、定義は書かれていません。厚生労働省の職場情報の提供制度のページは、いわゆるプレエントリーを説明しています。正式な応募の前に、採用の情報や資料を求めて、名前や学校名、連絡先を会社に登録することです。
この記事での呼び方(日程の言葉)
本エントリー:エントリーシートなどの書類を出して、選考を受け始める段階を、この記事では本エントリーと呼びます。登録の段階との見分け方は、エントリーとはの記事にあります。
説明会:会社が、自社の事業や仕事、募集について学生に説明する会を、この記事では説明会と呼びます。行く前の準備と聞き方は、会社説明会・座談会の準備と聞き方の記事にあります。
早期選考:6月1日より前に行われる、面接などの選考を、この記事では早期選考と呼びます。要請にも出てくる言葉ですが、定義は書かれていません。案内が来たときの確かめ方は、早期選考とはの記事にあります。
三つの日付に合わせてやることは、28卒の就活スケジュールの記事にまとめています。
インターンシップの言葉
文部科学省・厚生労働省などの3省は、令和4年6月に、インターンシップについての基本的考え方を改めました。この改正で、学生のキャリア形成を支える取組が、4つの類型に分けられています。インターンシップと呼ぶのは、そのうちタイプ3と4です。
オープン・カンパニータイプ1
就業体験を必須とせず、会社や業界の情報を伝えることなどが目的の類型です。インターンシップとは呼びません。
キャリア教育タイプ2
就業体験を必須とせず、教育が目的の類型です。これも、インターンシップとは呼びません。
汎用的能力・専門活用型のインターンシップタイプ3
就業体験が必須で、自分の力の見極めや、評価の材料を得ることが目的の類型です。
高度専門型インターンシップ(試行)タイプ4
就業体験が必須の、大学院生向けの類型です。3省の考え方では、博士課程のジョブ型研究インターンシップが、試行的な取組とされています。
3省の考え方では、インターンシップは、その仕事に就く力が自分にあるかを、学生が見極めるための活動です。中身は、専攻を含む関心のある分野や、将来のキャリアに関わる就業体験で、会社の実務を体験することとされています。
タイプ3には、5つの要件があります。職場で就業体験をする日数が、期間の半分を超えることと、職場の社員が指導し、終わったあとにフィードバックをすることです。期間は、汎用的能力活用型で5日間以上、専門活用型で2週間以上です。
時期は、大学の正課と博士課程を除いて、学部3・4年や修士1・2年の長期休暇の期間です。もう一つは、プログラムの目的や就業体験の内容、採用活動の開始以降に限って学生情報を使う旨などを、募集要項などに書いて公表することです。
3省の考え方の別紙は、会社が取組で得た学生の情報を、広報活動や採用選考活動に使える時期を決めています。28卒の場合、2027年2月末までに行われた取組で得た情報は、基本的に使えないとされています。
例外は、その趣旨を含むと前もって示されたタイプ3のインターンシップです。この場合は、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考活動に使えます。3省の概要資料は、使い方の例に、説明会の案内の送付や、選考の手順の一部の免除を挙げています。
同じ概要資料は、タイプ1〜4はどれも採用活動ではなく、学生は採用選考活動の開始以降に、改めて選考のためのエントリーが要るとしています。学生情報の扱いの表の全体は、インターンのあとにやることの記事にまとめています。
この記事での呼び方(インターンシップの言葉)
選考直結:参加したことが、その会社の選考の手順に関わると案内されているプログラムを、この記事では選考直結と呼びます。公的な定義は確かめられませんでした。案内にこの言葉があれば、類型と、学生情報の使い方が募集要項に書かれているかを確かめます。
募集されているプログラムの類型の確かめ方と、選考の準備の順番は、インターンの選考対策の記事にまとめています。
選考の言葉
28卒向けの要請の注は、書類やテストによる事前スクリーニング(事前の絞り込み)を、採用選考活動と分けて扱っています。挙げられているのは、エントリーシートの提出や、ウェブテスト・テストセンターでの受検です。日時や場所を学生が選べる幅が大きいことが、分ける理由とされています。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、採用選考の基本の考え方を二つ挙げています。応募者の基本的人権を尊重することと、適性と能力に基づく基準で行うことです。エントリーシートの項目を会社が独自に決める場合も、適性と能力に関係のない事項を入れないよう求めています。
本籍や家族のこと、宗教や支持政党、尊敬する人物などは、適性と能力に関係のない事項として挙げられています。応募書類に書かせたり面接で尋ねたりすると、就職差別につながるおそれがある、という考え方です。聞かれたときの返し方は、面接で答えなくていい質問の記事にまとめています。
この記事での呼び方(選考の言葉)
ES(エントリーシート):会社が設問を決めて、応募のときに出させる書類を、この記事ではESと呼びます。設問の型の見分け方は、ESの書き方の基本の記事にあります。
Webテスト:会社の案内に沿って、自宅などからオンラインで受ける筆記の試験を、この記事ではWebテストと呼びます。時間を計って解く練習は、SPI対策ドリルでできます。
GD(グループ・ディスカッション):何人かの学生が組になり、出された課題を話し合う形の選考を、この記事ではGDと呼びます。自分の番にやることは、集団面接とグループディスカッションの記事にあります。
OB・OG訪問:志望する会社などで働く先輩を訪ねて、仕事の話を聞くことを、この記事ではOB・OG訪問と呼びます。連絡の書き方と当日の進め方は、OB・OG訪問のやり方の記事にあります。
説明会やOB・OG訪問で聞いたことを、面接で話す練習は、面接対策150問のQ110(説明会やOB訪問で印象に残ったこと)でできます。
内定の言葉
28卒向けの要請は、正式な内定日を2027年10月1日以降としています。厚生労働省の「確かめよう労働条件」のQ&Aは、内定に法律上の定義は無いとしています。
そのうえで、一般には、条件つきの労働契約を結んだ状態を指すと説明しています。条件は、働き始める日が決まっていることと、通知書などにある取消しの理由が起きたら解約できることです。同じQ&Aは、内定を取り消すには、解雇と同じように合理的な理由が要るとしています。
内々定について、同じQ&Aは、内定と比べると、労働契約を結んだとまでは受け止められていないのが一般的だとしています。ただし、拘束の度合いが強ければ、内定と認められる場合もあるとされています。学生が内々定を辞退することは、職業選択の自由があるので、違法になるとは考えにくいとも書かれています。
この記事での呼び方(内定の言葉)
内々定:正式な内定日より前に、会社から採用するつもりだと伝えられることを、この記事では内々定と呼びます。受け取った連絡が内々定か内定かは、通知の書面と、承諾の期限の書き方で確かめます。
要請は、内定や内々定と引き換えに、ほかの会社への就職活動をやめるよう学生に迫ることなどを、いわゆるオワハラとしています。職業を選ぶ自由を損なうおそれのある、許されない行為として、企業に行わないよう求めています。内定の承諾に保護者の同意を迫る、いわゆるオヤカクも、オワハラにあたる場合があると注にあります。
内閣官房が学生向けに出した資料(2026年度卒用)は、オワハラにあたりうる例を挙げています。ほかの会社の就活ができないよう研修などへの参加を求めることや、内定承諾書を早く出すよう迫ることです。辞退を申し出たのに、引き留めのために何度も話し合いを求めることも挙げられています。
同じ資料は、内々定や内定の辞退を「就活生の正当な権利」としています。困ったときは一人で抱え込まず、都道府県労働局や新卒応援ハローワーク、大学のキャリアセンターへの相談を呼びかけています。承諾と辞退の伝え方は、内定承諾と内定辞退の伝え方の記事にまとめています。
面接では、入社の意思や、ほかの会社の選考の状況を聞かれる場合もあります。面接対策150問のQ119(入社の意思)とQ118(他社の選考状況)で、事実のとおりに答える練習ができます。
働く条件の言葉
労働条件の明示は、会社が仕事の内容や就業場所、労働時間、賃金などの条件を示すことです。厚生労働省の求職者向けのリーフレットによると、募集のときは職業安定法、労働契約を結ぶときは労働基準法に基づいて示されます。2024年4月からは、仕事の内容と就業場所の「変更の範囲」も、示す条件に加わりました。
変更の範囲は、入社した直後だけでなく、将来の配置転換などの見込みも含めた、契約の期間中に変わりうる範囲のことです。条件の一部を後で示す場合も、原則として、面接などで最初に会うときまでに、すべて示されることになっています。契約を結ぶときは、労働条件通知書などの書面で示されます。
求人票の項目ごとの読み方は、新卒の求人票の読み方の記事にまとめています。転勤や異動について面接で聞かれたときの答え方は、面接対策150問のQ126(転勤や異動の可能性)で練習できます。
職場情報は、若者雇用促進法に基づいて、新卒者などを募集する会社が示す、就労の実態などの情報です。厚生労働省の学生向けのリーフレットによると、会社には、幅広い職場情報を示す努力義務があります。応募者などから求められたときは、3つの類型それぞれについて、1つ以上を示す義務があります。
3つの類型は、募集と採用の状況、職業能力の開発と向上の取組、職場への定着を進める取組です。直近3事業年度の新卒採用者数と離職者数、研修の有無と内容、前の事業年度の月平均の所定外労働時間などが、項目に入っています。
求めるときは、氏名、連絡先、学校名と、在学年か卒業年月、情報がほしいことを、メールか書面で会社に伝えます。説明会や面接の場では、情報がほしいと口で伝えるだけでも求められます。調べ方の全体は、企業研究のやり方の記事にまとめています。
新卒応援ハローワークは、大学や大学院、短大、高専、専修学校などの学生と、卒業後おおむね3年以内の人のためのハローワークです。厚生労働省のページによると、各都道府県に1か所以上あり、無料で使えます。担当者を決めた相談や、ESと履歴書の作成の手助け、面接の練習、求人の検索などが受けられます。
疲れたときの休み方とあわせた相談先は、就活に疲れた・つらいときの休み方と相談先の記事にまとめています。
届いた案内の言葉を、この記事の言葉に置き換えて読む
会社から届いた案内は、名前ではなく中身で読みます。次の順番で、案内の言葉をこの記事の言葉に置き換えてから、返事や申し込みを決めます。
案内の言葉をそのまま書き写す最初に
案内の名前と、日時・場所・締切・出すものを、案内の言葉のまま書き写します。「選考」「内定」「インターンシップ」などの言葉にも、印をつけます。
中身で、この記事の言葉に置き換える次に
日時と場所が決まった面接や試験で、出ないと次の段階に進めないなら、要請でいう採用選考活動の側の中身です。情報を聞くだけで、出なくても次の段階に関わらないなら、広報活動の側の中身として読みます。
エントリーシートやWebテストは、要請でいう事前スクリーニングにあたります。「インターンシップ」とあれば、期間と、就業体験の日数で類型を確かめます。
日付と並べる置き換えたら
2027年3月1日・6月1日・10月1日と並べ、案内の日付がどこに入るかを見ます。6月1日より前に、採用選考活動の側の案内が来たときの確かめ方は、早期選考とはの記事にあります。
分からないことを尋ね、書面で残す最後に
中身が分からないときは、案内の問い合わせ先に尋ねます。たとえば、参加しないと次の段階に進めないか、得た情報を選考にどう使うかです。内々定や内定の連絡は、書面と承諾の期限を確かめます。
置き換えの例(架空)
届いた案内:「〇〇株式会社 選考直結 仕事体験のご案内」。期間はXX日、オンラインで、内容は社員の講演とグループワークです。参加者には後日、別の日程の面接を案内すると書かれています。
置き換え(類型):「仕事体験」「選考直結」は名前なので、中身で読みます。案内に職場での就業体験の記載が無いので、就業体験が必須のタイプ3・4ではなく、タイプ1・2の中身として読みます。
置き換え(日程):後日の面接は、日時を決めて行うなら、採用選考活動の側の中身です。日付が2027年6月1日より前なら、早期選考の記事の確かめ方を使います。
尋ねること:面接に進まなかった場合に、ほかの日程の選考に応募できるか。参加で得た情報を、選考にどう使うか。
案内に返事をする前に確かめること0 / 5 完了
置き換えた言葉は、エントリーした会社をまとめる表に、案内の名前と並べて書いておきます。表の作り方は、エントリーとはの記事にあります。
案内の名前は会社が決めるもので、同じ名前でも中身が同じとは限りません。名前で決めずに、日時と場所、参加しないと次に進めないか、書面があるかの三つを、案内ごとに確かめてください。
よくある質問
「インターン」と「インターンシップ」は、違うものですか?
3省の基本的考え方では、インターンシップと呼ぶのは、就業体験が必須のタイプ3と4です。案内の名前に「インターン」とあっても、どの類型にあたるかは、期間と就業体験の日数、募集要項の記載で確かめます。
エントリーシートの提出やWebテストは、選考にあたりますか?
28卒向けの政府の要請は、エントリーシートの提出やウェブテストの受検による事前スクリーニングを、採用選考活動と分けて扱っています。日時や場所を学生が選べる幅が大きいためです。結果の使われ方は、会社の案内で確かめます。
内々定のあと、ほかの会社の選考を続けてもいいですか?
政府の要請は、内定や内々定と引き換えにほかの会社への就職活動をやめるよう迫る、いわゆるオワハラを、許されない行為として企業に行わないよう求めています。困ったときの相談先として、内閣官房の学生向けの資料は、大学のキャリアセンターと新卒応援ハローワーク、それに都道府県労働局を挙げています。
職場情報は、どうやって求めればいいですか?
厚生労働省のページによると、氏名、連絡先、学校名と、在学年か卒業年月、情報がほしいことを、メールか書面で会社に伝えて求めます。説明会や面接の場では、口で伝えるだけでも求められます。
参考にした公的資料
制度・日程・法律についての説明は、次の公的機関のページで確かめたものだけを書いています。確かめた日も添えています。
内閣官房ほか「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」(令和8年3月24日、PDF)
https://www.cas.go.jp/
内閣官房「これから就職活動を行う学生の皆さんに知っておいていただきたいこと(2026年度卒用)」(PDF)
https://www.cas.go.jp/
文部科学省・厚生労働省ほか「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(令和4年6月13日一部改正、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進」
https://www.mext.go.jp/
厚生労働省ほか「令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります」(概要資料、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点」
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/
厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!(求職者の皆さまへ)」(リーフレット、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「職場情報の提供制度」
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「就労実態等に関する職場情報を企業に求めることができます!」(学生向けリーフレット、PDF)
https://www.mhlw.go.jp/
厚生労働省「新卒応援ハローワーク」
https://www.mhlw.go.jp/
言葉が出てくる日程の全体と、6月より前の選考の案内を受け取ったときの記事を並べておきます。
【完全無料】
届いた案内の読み方を、一緒に整理する
はじめに状況をお聞きします。そのうえで、合いそうな条件や職種をお伝えします。求人は、探してほしいと言われたときだけお送りします。
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